感染が気になったらすぐ検査? 何がどう変わる 新型コロナ「5類」移行 疑問に答えます

このウイルスの感染症法上の取り扱いが「5類」に移行するのに伴って、わたしたちの暮らしは具体的に何がどう変わるのか、気になりますよね?

1 感染が気になったら検査? 2 治療はどこで? 3 医療費負担はどこまで? 4 学校・仕事は何日休む? 5 「濃厚接触者」ってどうなる?

この点、専門家にうかがってきました。

広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄 センター長
「今までは国が法律の下で指示したり、調整したりしていた。それが5類というのは、自分自身で考えてやってください。基本は自分ですよと」

新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが、これまでの2類相当から季節性インフルエンザや梅毒と同じ「5類」に変更。そのため、政府から行動を制限されることはなくなりますが、注意が必要なこともあります。

1 感染が気になったらすぐ検査?

桑原正雄 センター長
「今までは、基本的に『みなさん、検査してください』と言っていました。そういう無料の検査所はもうありません。症状がある人で軽い人は、別に検査はいいですから、休んでください」

不安な場合は、市販の抗原検査キットで自分で検査することもできます。ただ、保健所に知らせる必要はなく、ホテル療養もなくなります。

桑原正雄 センター長
「自分で調べて陽性であっても、あまり症状がひどくなければ、じっと家で療養していただきたい」

2 治療はどこでできますか?

広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄 センター長
― 基本的にはどこの病院に行ってもいい?
「基本的にはそういう方向に9月末までにはしたいと。すぐには全部は難しい。徐々に増やしていく、移行期間が今から始まる」

どの医療機関で診察が可能なのかは、広島県のホームページに掲載されています。また、「受診案内・相談ダイヤル」で相談も可能です。

3 医療費負担はどこまで?

広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄 センター長
「コロナの治療薬ってかなり高い薬なので、それを公費として出せる。今までのように全部が、というわけにはいかない。自然に治ることもある、使わなくてもいいという判断を、たとえば(医師が)するかもしれない」

これまでは初診料などを除いて基本的に無料でしたが、5月8日からは、ほかの病気と同じ1割~3割の自己負担となります。ただし、今のところ、9月末までは高額な治療薬など一部の公費支援は継続されます。厚労省の試算によりますと、3割負担の人なら4000円前後となり、インフルエンザと同程度とのこと。ただし、10月以降、もし、この公費支援がなくなれば、自己負担額は3万2000円を超えることになります。

4 感染したら学校・会社は何日休むべき?

広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄 センター長
「基本的に学校は文科省が方針を出していて、5日間ほど休みましょうと。5日間がキーワード」

これまでのような国の「外出自粛要請」はなくなりますが、そもそも感染したか、はっきりしない人は?

桑原正雄 センター長
「コロナかどうかわからない場合は最低限、熱が下がって1~2日くらいは間を置いて、それから仕事に行かれることを考えたらいいんじゃないかと思ってます」

5 「濃厚接触者」ってもう気にしなくてもいい?

広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄 センター長
「濃厚接触者の方をどうするかというのは全くないんですね。それが、5類なんですね。類型が2類から5類に変わった。じゃあ、新型コロナが5月8日に急に変わったのかといったら、全くそうじゃないわけですから。今までのことを生かしながらやらないといけない。いかにしたら人に感染させないか、自分が感染しないかということを考えていかないといけないと思いますね」

また、ワクチンについては今年度は引き続き、自己負担なく接種できるということです。

マスクは? 着用ルール 緩和後に調査

一方で、マスクについて、第一三共ヘルスケアが、全国47都道府県の4700人を対象にことし3月17日~19日に調査したところ、ちょっとおもしろいことがわかりました。

都道府県別に見たマスクを着けている時間ですが、広島県はなんと1位! 起きている時間全体を100として、マスクを着けている時間がどれくらいかを調べたものです。全国平均は65.5%ですが、広島県では72.0%と、2位の岐阜県から2ポイント近く差をつけての1位でした。逆に一番短いのが、56.4%と答えた奈良県の方がたでした。

ちなみに、マスク着用のルールが緩和して以降、常に外すようになったとか、外すことが増えたという「脱マスク変化率」についても広島県は最下位でした。全国平均は2割程度で、1位の沖縄県は3割を超えますが、広島県では1割と少し…。かなり保守的ということがうかがえます。この点についても桑原先生に聞いてきました。

広島県感染症・疾病管理センター 桑原正雄 センター長
「いや、すばらしいなとわたしは思うんですね。ただ、全国の中でおそらく沖縄が一番少なかった。広島県はかなり多い感染者だったんですよ。2月・3月。そのことが、マスクを着ける行動につながっているんじゃないかと思う。常にすばらしいこと、実は。今は少ない。しかし、いつかはまた増えてきます。そうすると、その増えたことに対して、またちゃんと感染対策を取ろうよねというメリハリのついた対策ができるというのは、すばらしいことだと思っています。そういうことを、広島県のみなさんはやっていただいているんだなと思って、非常に感謝しているところです。日本全体がそうですけど、ワクチンはしっかりがんばって打ってくださっているけど、まだまだ感染者が少ない分だけ、これから広がる可能性があるというところで5類に入っていくということですよね。高齢者・基礎疾患がある人は重症化する可能性がある。こういう方をどうやって守るのか。われわれ、みんなが考えていかないといけないことだと思っています」

マスクの着用にはメリハリが必要だということです

・「密」が起きそうな場面 ・「密」の中で会話する場合 ・感染者が多いとき ・自分の免疫力が落ちているとき

などは今後も必要に応じてマスクの着用を、ということでした。

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