熊本市の慈恵病院で親が育てられない乳幼児を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)の運用が始まってから10日で16年となるのを前に、蓮田健院長が9日、記者会見し「匿名性を保障しないと救われない母子の命がある」と改めて意義を強調した。
北海道当別町では女性が自称「赤ちゃんポスト」を始め、今年2~3月に乳児2人を受け入れ。東京都江東区でも開設を模索する動きがある。蓮田院長は「定義は定まっていないが、最低ラインは匿名で乳幼児を受け入れ、遺棄を防ぐこと。手法はさまざまだ」と話した。
熊本市によると、2007年5月から21年度まで、計161人の預け入れがあった。