ザ・ウィークエンド、別人格としての“The Weeknd”をいずれ“葬りたい”と明かす

ザ・ウィークエンドことエイベル・テスファイは、10年以上前に“The Weeknd”という謎のステージ名で音楽を発表し、キャリアをスタートさせた。それ以来、【ビルボード・ミュージック・アワード】で12回以上、【グラミー賞】で4回受賞し、何十億回ものストリーミング再生数を記録してきた彼だが、そろそろザ・ウィークエンドという名の“悪党”に別れを告げる準備をしているようだ。

米HBOドラマ『The Idol』の共演者であるリリー=ローズ・デップと共に登場した、米Wマガジンの新しいカバー・ストーリーで彼は、「今、精神浄化効果を感じる道を通過中で、ザ・ウィークエンドの章を閉じる準備をする場所と時期になってきた」と語っており、「エイベルとして、あるいはザ・ウィークエンドとして、まだ音楽は作るつもりだ。それでも僕はザ・ウィークエンドを葬りたい。そして、そうする。いずれはね。間違いなくその皮を脱いで生まれ変わろうとしてるんだ」と続けている。

2020年にリリースされたアルバム『アフター・アワーズ』のストーリーを追うと、このアルバムから生まれたシングル曲のミュージック・ビデオでエイベルの分身が受けた血まみれのダメージの大きさから、この時点ですでに“ザ・ウィークエンド”終焉の兆候は見られていたのかもしれない。「今取り組んでいるアルバムは、おそらくザ・ウィークエンドとしての有終の美になるだろう」と、タイトル未定の次の作品について彼は明かしており、「これは僕がやらなければならないことなんだ。ザ・ウィークエンドとして、言えることは全て言ってしまった」と説明している。

ザ・ウィークエンドに扮したことで、エイベルに負担がかかっているように聞こえるが、HBOのミュージカル・ドラマ『The Idol』でカルト教団のリーダー、テドロスに扮したことも、感情的にも肉体的にも影響を与えたと彼はいう。「ザ・ウィークエンドの衣装を脱いで、テドロスのウィッグをかぶり、(リリー=ローズが演じる)ジョセリンと撮影して、またザ・ウィークエンドに戻らなければならなかった」と、彼は二つの人格の間を行き来する心労について語った。

続けて彼は、「その後、コンサートの後に声が出なくなった。声がまったく出なくなった。そんなことは今まで一度もなかった。僕が思うに、歌い方を知らないキャラクターであるテドロスを演じていたから、歌い方を忘れてしまったのだと思う」と、現地時間6月4日にHBO Maxで配信開始予定のシリーズの中心人物である悪賢いキャラクターについて語った。「深く考えすぎかもしれないけど、怖かったよ。ザ・ウィークエンドとして、僕はコンサートをスキップしたことはないんだ。インフルエンザにかかったままパフォーマンスしたこともある。(いつか)ステージ上で死ぬだろうと思っている。でも、あの時僕の心では、何かとても複雑なことが起こっていたんだ」と振り返っている。

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