海自艦長ら現場の浅瀬認識せず 「いなづま」乗り上げ事故

山口県・周防大島沖の瀬戸内海で自力航行不能となった、海上自衛隊の護衛艦「いなづま」=1月

 山口県沖の瀬戸内海で1月、海上自衛隊の護衛艦「いなづま」が浅瀬に乗り上げ、自力航行不能になった事故で、海自は9日、艦長ら運航に携わる幹部が海図を十分確認せず、現場の浅瀬の存在を認識していなかったのが原因との調査報告書を公表した。事前に海図などを確認する会合を実施せず、当日も艦内で浅瀬に接近しているとの情報共有ができなかった。修理には数年かかり、費用は40億円程度の見通し。

 海自トップの酒井良海上幕僚長は9日の記者会見で「航海の基礎的事項をおろそかにして事故を起こし、じくじたる思いを禁じ得ない。安全対策を徹底し、再発防止に努める」と述べた。海自が関係者の処分を検討する。

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