〈がんばろう珠洲〉「これで片付け進む」 ブロック、ガラス運び入れ

災害ごみを車から降ろす住民=9日午前9時20分、珠洲市営野球場駐車場

  ●野球場駐車場に仮置き場

 珠洲市で9日、災害ごみの受け入れが始まった。蛸島町の市営野球場駐車場に開設された仮置き場には、倒壊した塀のブロックや割れたガラスなどを積んだ軽トラックが次々と訪れた。余震に警戒しながら復旧作業に取り組む住民からは「これで片付けが進む」と歓迎の声が上がった。

 午前9時の開始を前に約20台が列を作った。同7時から待っていた新谷常夫さん(70)=蛸島町=は軽トラックの荷台いっぱいにブロックを積んで来た。新谷さんは「やっと捨てることができてうれしい」と話した。

 食器棚3台を積んだ向幸一さん(73)=正院町正院=は、近所の高齢女性の分も一緒に運び込み、「女性1人では重くて持てんし、トラックもないから困っとると思って。こんな時はみんなで助け合わんと」と語った。

 災害ごみとして運び込めるのは、可燃粗大ごみ、廃木材、ガラス・陶磁器のかけら、コンクリート、瓦、壁材、金属くず、家電リサイクルの計8種類。開設時間は午前9時~午後4時で、ごみを自分で運び込むのが難しい市民に対しては市への相談を呼び掛ける。

 市営野球場駐車場での受け入れは18日まで。19日以降は蛸島町の日本スカウトジャンボリー会場跡地に、より規模の大きなごみ置き場を開設する。市の担当者は「多くの方に利用してもらい、日常の生活を取り戻してほしい」と語った。

  ●速やかに珠洲視察 谷防災相

 珠洲市で震度6強を観測した地震に関して、谷公一防災担当相は9日の閣議後会見で「災害対応は現場を見て地元の方から直接話を聞くことが何よりも大切だ。可能な限り速やかに被災地に足を運びたい」と述べ、近く現地を視察する意向を示した。被災自治体の復旧事業で国の補助率をかさ上げする激甚災害指定に関しては「自治体や関係省庁が被害状況の把握を進めており、基準に照らして適切に対応したい」と述べた。

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