珠洲、早朝震度4新たな被害なし

早朝の地震を受け、崖崩れ現場の現状を確認する国土交通省の職員=9日午前11時10分、珠洲市正院町岡田

  ●能登町も4を観測 災害ごみ搬入開始 

 9日午前5時14分ごろ、珠洲市と能登町で震度4の地震があり、2分後の同5時16分ごろにも同市で震度3の地震があった。震度4以上の揺れは、震度6強や5強を記録した5日以来で、新たな被害は確認されなかった。9日には珠洲市に災害ごみの仮置き場が開設され、復興に向けた動きが本格化する中、市などは今後も大きな揺れに加え、土砂災害に警戒を呼び掛けている。

 気象庁によると、いずれも震源地は能登地方で、震源の深さは約10キロ。規模は午前5時14分の地震がマグニチュード(M)4.9、同16分の地震はM4.3とそれぞれ推定される。震度4の地震では、七尾市と輪島市などで震度3、金沢市では震度2を観測した。緊急地震速報が流れた。

 気象庁の観測によると、5日の震度6強後、珠洲付近を震源とする震度1以上の地震は9日正午までに86回となった。そのうち震度3が8回、震度4が3回、震度5強が1回。今年に入り135回となった。

 珠洲市は午前5時半から土砂災害警戒区域内をパトロールし、大雨で緩んだ地盤で落石や土砂崩れが新たに発生していなかったことを確認した。国道249号などの緊急輸送道路にも異常はなかった。国土交通省北陸地方整備局の職員も崖崩れ現場を確認した。

 珠洲市内の避難所3カ所では8日夜も最大で18人が一夜を過ごし、9日正午現在で正院小に1人が身を寄せている。

  ●市長「支援尽くす」

 珠洲市役所には、泉谷満寿裕市長や職員が続々と登庁し、現状把握に努めた。

 泉谷市長は午前5時40分ごろ、防災服姿で駆け付け危機管理室で「情報収集を急ぐように」などと指示した。取材に対し「倒れた家具を起こせなかったり、布団を敷く場所もなかったりする市民もおり、市としても支援を尽くしたい」と述べた。

  ●通行止め4カ所続く

 9日の石川県内は高気圧に覆われて晴れた。正午の気温は金沢20.6度で、前日の同時刻より7度ほど高くなった。珠洲は16.5度と前日より3度高くなったが、平年の最高気温を3度ほど下回った。

 県によると、地震や大雨による奥能登の国道と県道の通行止めは、国道249号など3路線4カ所で続いている。

国交省職員が確認した崖崩れ現場=9日午前11時25分(ドローンから)

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