水戸市立五軒小(同市金町)の卒業生が、在校当時の50年前に夢を描いた絵や作文など、タイムカプセルに詰め込んだ思い出の品々を、本人に手渡すセレモニーが6日、同市内のホテルで開かれた。参加した卒業生ら約300人は自身の作品と対面し、再会した旧友との思い出話に花を咲かせた。
セレモニーは「水戸市立五軒小学校創立150周年記念大同窓会 ~タイムカプセルセレモニー~」と題して開催。
タイムカプセルは同小創立100周年行事として1973年11月、当時、同市五軒町にあった本校舎前の校庭に埋設された。85年には新校舎完成に伴い、同小は現在地に移転。カプセルは未開封のまま、敷地内の駐車場付近に埋め直された。
昨年7月には卒業生で組織する「150周年記念大同窓会タイムカプセル掘り起こしプロジェクト」により、青色の円柱形で直径約1.2メートル、高さ約1.5メートルのカプセルが掘り起こされた。中の品物は当時と変わらぬ状態を維持されていた。
中身は、習字や絵画、作文など個人の作品と、アルバムや集合写真、寄せ書きなど。当時のおもちゃや木製の椅子のほか校長が手紙を添えたウイスキーも詰め込まれていた。
大同窓会では、昨年の掘り起こしの様子をまとめた映像を上映。卒業生らは静かに見守った。
各クラス代表に手渡された作品は、早速参加者に分けられた。「100周年」に関する作文を受け取った市内の会社役員、佐藤昌樹さん(61)は「(書いたことは)覚えていない。字は丁寧で真面目に書いている」と自身の作品を評価。仙台市から訪れた非常勤講師の青田知子さん(61)は、好文亭を描いた絵画を手にし「もうちょっと分かりやすく描けていたのでは」と照れくさそうに話した。
同プロジェクトの小櫃重秀会長は「50年前の自分を再発見できる機会になったのでは」と手応えを語った。