余震続く石川・珠洲、生活再建のニーズ調査へ 神戸の2団体が被災地入り ボランティア受け入れも支援

災害ボランティア号に用具を積み込む青井介さん(左)と高橋守雄さん=神戸市中央区小野浜町

 石川県珠洲市で震度6強を観測した地震を受け、神戸市拠点の民間2団体が10日、被災地支援のため現地入りする。キャンピングカーを活用した自前の車に3人が乗り、珠洲市内を回って被災者の支援ニーズを調査。同市社会福祉協議会を訪ね、ボランティア受け入れのノウハウも伝える。

 地震は5日午後、石川県能登地方を震源に発生。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.5で、珠洲市で1人が死亡した。被害が集中した同市の建物被害は500棟を超え、市社会福祉協議会は在住地などを限った事前登録制でボランティアを募っている。

 現地入りするのは、兵庫県の外郭団体「ひょうごボランタリープラザ」の前所長で「全国災害ボランティア支援機構」(神戸市西区)の高橋守雄代表理事(74)と、一般財団法人「大吉財団」(同市中央区)の青井介事務局長(40)ら。同財団の所有で、太陽光発電や大型バッテリーで電力を賄い、シャワーやキッチンを搭載したキャンピングカー「災害ボランティア号」で移動する。

 現地では余震が続き、地震発生後の大雨で地盤が緩んだ中、住民が生活再建に向けて片付けや掃除に追われている。珠洲市社協の塩井豊事務局長は「被災地では高齢者が多い。割れた茶わんの片付け、倒れた棚を元に戻すことなどの支援ニーズが出ている」と話す。

 今回は1泊2日の予定だが、「何が必要とされているかを見極め、今後の長期支援につなげたい」と高橋さん。青井さんは「全国で地震が多発して感覚がまひしてくるが、震度6強はすごい揺れ。神戸の経験を伝えたい」と準備する。

 同財団は、新電力の洸陽電機(現シン・エナジー)を創業した山本吉大さんが2017年に設立。自前の災害ボランティア号で、18年の大阪府北部地震や西日本豪雨、21年に静岡県熱海市で起きた大規模土石流の被災地などに駆け付けている。(上田勇紀)

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