特殊詐欺犯の「バレない作戦」通じません 見破ったお手柄郵便局長に感謝状

特殊詐欺の被害を防いだとして、感謝状を受け取った福田局長(右)=京都市左京区・川端署

 特殊詐欺の被害者が金融機関で怪しまれずに現金を引き出せるよう犯人がそそのかしたうそを見破り、被害を防いだとして、京都府警川端署は京都吉田牛ノ宮郵便局(京都市左京区)の福田高久局長(56)に感謝状を贈った。

 3月22日、同郵便局を訪れた80代女性が「孫の結婚式で300万円がいる」と落ち着いた様子で引き出しを求めた。福田局長は「孫なら送金すればいいのに、なぜ引き出すのか」と不審に思い、川端署に通報した。

 実は女性宅に同日、詐欺犯とみられる人物から「(女性の)家族が入院して医療費が必要」などとうその電話があり、女性は金融機関に怪しまれないよう「孫の結婚祝いだと伝えて」と指示を受けていた。郵便局で女性は最後まで「孫の結婚式」と言い張ったという。

 感謝状の贈呈式で、電話の内容を知った福田局長は「詐欺グループに知恵を付けられたのだろうと、とっさに判断した」と振り返り、城石和久署長が「水際で阻止してもらい、ありがたい」と語った。

© 株式会社京都新聞社