米アニメ映画製作に携わる2人、竹田市で講座 風景画を通じ技術指導【大分県】

受講者が描いた風景画を見て講評する伊藤頼子さん(手前右)とザック・レッツさん(左)=5日午後、竹田市挟田
受講者(左)に風景画のアドバイスをする伊藤頼子さん

 【竹田】米国でアニメーション映画に携わってきた2人から創作技術を学ぶ講座「ペインティング・ブートキャンプ」が3~6日、竹田市であった。全国各地から映像制作などに関わる15人が受講。市内に広がる自然景観や史跡などを題材に風景画を描き、レベルアップを図った。

 講師は映画「マダガスカル」「シュレック」シリーズ、「スパイダーマン スパイダーバース」などの製作にそれぞれ参加した伊藤頼子さん=米サンフランシスコ在住=と、ザック・レッツさん=米ロサンゼルス在住。

 アニメーターやデザイナーの育成なども手がける伊藤さんが自然の光と影、色彩などをよく観察することが表現に生かされる―と今講座を企画。たびたび訪問したことのある竹田市を会場に選び、以前から交流があったレッツさんを誘って開講した。

 受講者は市城下町交流プラザ(竹田町)で講義を受け、連日、岡城跡や若宮井路笹無田石拱橋(せっこうきょう)、十川の柱状節理(挟田)などで写生。空の下でタブレット端末や絵の具を使って描き、2人のアドバイスを受けた。

 レッツさんは「竹田は歴史的建造物や自然が豊かで、とても面白い。遠くと近くの山々が幾重にも重なる風景もあり、練習にうってつけだ」。東京都から参加した男性(47)は「第一線で活躍する人から西洋の立体的な表現を学ぶ貴重な機会になった」と喜んだ。

 伊藤さんは10年以上前に友人と会うため来市して以来、気に入って何度も訪れるようになった。「自然景観、古い町並みといった異なる素材が近い距離にあるところも魅力。今後も講座を開ければ」と話した。

© 有限会社大分合同新聞社