米大統領「国境無秩序」と危機感 移民制限措置の失効で

バイデン米大統領と電話会談するメキシコのロペスオブラドール大統領(右)=9日、メキシコ市(メキシコ外務省提供・ロイター=共同)

 【ワシントン共同】バイデン米大統領は9日、新型コロナウイルス対策を名目とした米国の移民流入制限措置が11日に失効した後、南部国境が「しばらく無秩序状態になるだろう」と危機感を表明した。ホワイトハウスで記者団に語った。中南米からメキシコ経由で移民が殺到する懸念が高まっている。

 移民制限措置は「タイトル42」と呼ばれ、トランプ前政権が2020年3月に導入した。亡命申請の審査を経ずに移民希望者を即時送還できる。失効後、バイデン政権は既存の移民対策「タイトル8」を適用し、不法越境が判明した場合は数日内の送還を実施するとしている。

米南部テキサス州エルパソのメキシコとの国境付近で手続きを待つ移民=8日(ゲッティ=共同)

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