防衛財源法案の質疑中止 財務金融委員長の解任案提出

衆院財務金融委の理事会が流会となり、取材に応じる塚田一郎委員長=10日午前

 防衛財源法案を巡る与野党対立が先鋭化したことを受け、10日の衆院財務金融委員会が流会し、法案採決に向けた質疑が中止となった。東日本大震災被災地での地方公聴会が実現していないとして、立憲民主党と共産党が塚田一郎委員長(自民党)の解任決議案を提出したため。与党は10日中の委員会での採決を目指していたが、断念した。

 立民の安住国対委員長は記者団に対し「強行に審議を打ち切ろうとしている」と批判した。決議案提出に先立ち、立民、日本維新の会、共産、国民民主4党の国対委員長は国会内で会談し、財源確保法案には反対することで一致した。

 財務金融委は解任決議案が衆院本会議で採決されるまでは開かれず、法案の審議が止まることになる。塚田氏は国会内で取材に応じ、自身への解任案について「重く受け止め、国会の判断を待つ」と述べた。

 法案は今国会の焦点の与野党対決法案で、4月6日に衆院で審議入り。5月9日の財務金融委には岸田首相も出席して「防衛力の抜本的な強化は待ったなしの課題だ」と、財源確保の法案の重要性を説明した。

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