スーパーGTに衝撃。ミシュランが2023年限りでのGT500クラスへのタイヤ供給活動休止を発表

 5月10日、日本ミシュランタイヤは突如として2023年限りでのスーパーGT GT500クラスへのタイヤ供給の休止を発表した。ミシュランはスーパーGTの前身であるJGTC全日本GT選手権時代の1999年から24年間参戦を続けており、GT500クラスでは4回のチャンピオンを獲得している。

 ミシュランは世界でも貴重になりつつあるスーパーGTをタイヤ開発の場として位置づけ、さまざまなチャレンジを行ってきた。GT500クラスでブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップなど日本メーカーと戦い続けており、2023年はGT500クラスでNiterra MOTUL Z、MOTUL AUTECH Zにタイヤを供給しているが、今シーズン最終戦までは供給が行われる。

 シリーズで4回ものチャンピオン獲得を果たしたミシュランの供給中止は大きな衝撃だが、理由は具体的には記されておらず、「ミシュラングループがレースサポート体制を再考する中で決定された」とされている。ミシュランはレーシングタイヤの開発において、コンペティションの厳しいスーパーGT500クラスを中心にして世界のさまざまなレースカテゴリーのタイヤにGT500での知見を活かしてきていたが、その方向性に変化があったようだ。

 なおミシュランがレース活動を通してより良い製品を提供することで『継続的なモビリティの発展に貢献する』という企業理念に影響を与えるものではないとしている。またミシュランは引き続きレース活動を通して製品開発を進め、より充実したモビリティライフに貢献する製品の提供を推進していくとしており、モータースポーツ活動全体に関わるものではないという。

 なおミシュランはGT300クラスではStudie BMW M4にタイヤを供給しているが、GT300クラスについては継続する方向のようで、GT500については「応援いただくファンの皆さまのご期待に沿えるよう、チームのシリーズチャンピオンに向け最終戦、最終ラップまで邁進します」と日本ミシュランタイヤは意気込んだ。

 今回の決定は2024年以降に向け、スーパーGTの体制に影響を与えることになりそうだ。

※追記しました

2023スーパーGT第2戦富士 MOTUL AUTECH Z
2023スーパーGT第2戦富士 MOTUL AUTECH Z
2023スーパーGT第2戦富士 Niterra MOTUL Z
2014スーパーGT第6戦鈴鹿 MOTUL AUTECH GT-R
2015スーパーGT第8戦もてぎ チャンピオンとなったMOTUL AUTECH GT-R
2012スーパーGT第7戦オートポリス S Road REITO MOLA GT-R
2011スーパーGT第8戦もてぎ チャンピオンとなったS Road MOLA GT-R
2000年JGTC富士 ミシュランは活動初期はTOM’Sとともに戦った。

© 株式会社三栄