AI大国はアメリカor中国どっちなの?【図解 地政学の話】

中国は国家ぐるみで開発に力を入れる

中国が今、力を入れているのが第3の革命といわれる人工知能(AI)です。2017年に中国科学技術部は「次世代AI発展計画」を発表し、2030年までにAIの分野で世界トップレベルになるという目標を揚げています。これに脅威を感じているのがアメリカです。中国が国家ぐるみで技術開発を推し進めるのに対し、アメリカのAI開発はおもに民間が担っています。2018年、マサチューセッツ工科大が10億ドルを投じて、AI研究の大学を創設すると発表しましたが、そのうち3億5000万ドルを寄付したのがアメリカの著名な投資家・スティーブン・シュワルツマン氏です。シュワルツマン氏は「アメリカが主導的な発言力を持つために、AIへの巨額投資は必要」との意向を示しており、アメリカ政府もAI開発の規制緩和を発表。アメリカもAI技術のリーダーとして、誇示していきたい考えです。

シリコンバレーより勢いのある中国IT

しかし、世界のメディアは中国のほうが優位と予想しています。中国は世界各国から集めたAIデータを豊富に持っており、技術開発に取り組んでいます。現在、世界中にあるAI関連企業は5000社以上ありますが、そのうち中国の企業は1000社以上です。また、中国の3強といわれるIT企業、通称BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)に勢いがあることも挙げられます。中国政府のバックアップのもと、BATはシリコンバレーのIT企業よりも勢いがあるともいわれています。

『図解 地政学の話』はこんな人におすすめ!

・経済とテクノロジーをめぐる問題って? ・地政学ってそもそもなにが学べる? ・日々変わる世界の情勢を知りたい
と感じている方には大変おすすめな本です。

「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識です。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!

シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。

図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!

気になる中身を少しだけご紹介!自国に帰るシリア難民があとを絶たないってホント?

都市部で暮らすシリア難民

シリア危機が勃発した2011年以降、1100万人以上のシリア人が国内外で避難生活を送っています。国外では隣国のトルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトの5か国が主にシリア難民の受け入れをしています。シリア内ではいつ殺されてもおかしくない状況にも関わらず、難民の中には自国に戻る人たちがいます。理由は経済的に苦しい状況に追い込まれているからです。

イラクを例にとると、シリア難民が避難していたクルディスタン地域からは約2万5000人が去り、多くが自国に戻ったといわれています。増え続けるシリア難民たちはキャンプではなく、都市部で暮らしています。都市部では生活面で困窮するケースが多くみられるのです。家賃や医療費も高く、それに見合うだけの収入も見込めません。雇用は自国民を優先させるため、どうしても難民の就労は難しい状況です。

隣国では国境封鎖も辞さない考え

現在、360万人のシリア難民を受け入れているトルコでは、政府が運営する難民キャンプの主要人数を超えており、難民の多くがキャンプの外で暮らしています。レバノンにも100万人近いシリア難民がいますが、国境を強いられています。レバノン政府は難民の定住を阻止したい考えで、国連機関による難民定住キャンプの建設を認めていません。また、受け入れている5か国も難民が来るのを防ぐため、国境封鎖を進めています。これらにより身動きのとれない難民が増え、自国に帰らざるを得ないのです。

★なぜ中国人観光客はメイドインジャパンを爆買いするの? ★AI大国はアメリカor中国どっち? ★日本が実は移民大国だった!? ★ウクライナ戦争が起こる理由は?
などなど気になるタイトルが目白押し!

政治、経済、地理、軍事と世界情勢がまるごと理解できる楽しい1冊です!

【書誌情報】 『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』 荒巻 豊志 著

「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識である。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!

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