神戸空港の新ターミナル、コンセプトは「海に浮かび、森を感じる」 神戸市が概要発表 木材多用、吹き抜けに緑地も

現在の神戸空港旅客ターミナルと駐機スポット。神戸市は空港の敷地を西側に広げ、国際チャーター便などを受け入れるサブターミナルを整備する=2022年12月、神戸市中央区

 神戸市は10日、国際定期便の就航が決まった神戸空港で整備する新ターミナルの概要を発表した。展望デッキがある2階建てで、ガラス張りや吹き抜けの構造で開放感を演出し、自然を身近に感じられるよう隣接地に緑地を配置する。2025年の大阪・関西万博に向けた国際チャーター便の発着場に位置付け、新たな空の玄関口は同年3月の運用開始を目指す。

 新ターミナルは、現在の旅客ターミナル(4階建て、延べ床面積約1万7千平方メートル)の西側区域に設ける。延べ床面積は約1万4600平方メートルで、1階に出発・到着ロビーや保安検査場、CIQ(税関、出入国管理、検疫)エリア、商業施設などの空港機能を集約させる。事業費は約90億円。

 「海に浮かび、森を感じる」をコンセプトに、新ターミナル天井や展望デッキなどに木材を多用。東隣に緑地を設け、緑があふれ、温かみを感じる空間をデザインする。

 国際チャーター便のほか、国内線の発着場としても活用し、利用者は駐機場までバスで行き来する。新ターミナルはポートライナーの神戸空港駅や現行ターミナルから約400メートル離れるが、市は無料のシャトルバスを運行させて利便性の確保に努める。

 駐機場は新たに5スポットを万博までに整備し、30年前後の国際定期便就航に合わせて計21スポットにまで増設する方針。国際定期便のターミナルは、市は別途新設する考えだ。

 神戸空港を巡っては昨年9月、関西、大阪(伊丹)、神戸空港の役割を官民で協議する「関西3空港懇談会」で、将来的なインバウンド(訪日客)の増加を見据え、30年前後の国際定期便就航に合意。関空を補完する役割に位置付け、発着回数の上限を1日40回と決めた。国内線の上限も現在の1日80回から120回に拡大する。(金 旻革)

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