文楽研修生の募集を継続、大阪 期限2カ月延長も決まらず

研修生(右)を指導する人形遣いの吉田簑二郎さん=2月、大阪市の国立文楽劇場

 4月に開講予定だった人形浄瑠璃文楽の演者養成研修への応募がなく、受講生が決まらない問題で、本年度は期限を設けず募集を継続することが10日、国立文楽劇場(大阪市)への取材で分かった。対象期間に入っても研修を始められないのは、1972年に制度ができて以来初めてという。

 当初の募集期限は2月中旬だったが応募者が現れず、約2カ月延長。その後2人が応募するも、資格外などで選考に至らなかった。受講生が決まれば募集を終了する方針だが、さらに希望者がいれば柔軟に対応する。

 劇場養成係の柳川文雄さんは、少子化に加え、コロナ禍で若い世代が文楽に触れる機会が減ったことが背景にあると指摘した。

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