楽屋で準備運動をしていた平田がBeeBeeの目の前で派手に転んだ!
──まず初めに、皆さんが初めて対バンしたときのエピソードを聞かせていただきたいのですが…覚えていらっしゃいますか?
平田:僕はもう完璧ですよ!
nao:ホントに!?
平田:さっきちょっと喋った感じだと、たぶんKiNGONSさんは忘れてるんだと思います。
BeeBee:えっ!? いつですか!?
平田:2011年の浜松の…。
BeeBee:いや、古っ!! 浜松?
平田:会場の名前は忘れちゃったんですけど、忘れらんねえよとKiNGONSとボヘミアンズとのスリーマンだったんですよ。
──へぇー!!
BeeBee:そのとき、THEラブ人間もいなかったですか?
平田:いや、スリーマンなんで。
BeeBee:そうか…忘れらんねえよと浜松でやった記憶はある。
平田:実はTHEラブ人間にも同じこと言われたんすよね。
BeeBee:そこにいたんじゃないの!?
一同:(笑)
平田:(笑)それがKiNGONSとの初めての対バンです。
BeeBee:たしかに僕の認識とはもう違いますね…。
nao:(笑)
平田:で、そこから10年くらい経ってU.F.O. CLUB(東高円寺)でツーマンをやりました。
BeeBee:そうだ! 2018年とかそのくらいにやって、その1カ月後に新代田FEVERでやったんですよね!
平田:なので、その3回です。
BeeBee:一番最初の浜松はちょっと覚えてないんだよな…ほんとにTHEラブ人間いなかったっすか?
一同:(笑)
BeeBee:(笑)3回やったんだけど、たぶん「お疲れ様です」の一言くらいしか喋ってないんだよね?
平田:あの頃、僕らは態度悪かったんで…。
──態度悪かったんですか?(笑)
平田:「曲いいっすね!」って話しかけられたのだけは覚えてます。
BeeBee:思ったことを言ったんだけど、それだけで終わったという(笑)。
平田:あれは僕たちが悪いです(笑)。すげー人見知りだったんで。
BeeBee:(笑)その中でも3回目の新代田FEVERで凄い記憶に残ってることがあるんですけど、当時、俺が楽屋で一人座ってたら出番前の平田くんがめちゃくちゃ準備運動してたんですよ。足上げたりしてて、「おぉ、かなり本格的にやるな」って見てたら、右足を凄い上げたときに軸足が滑ってバコーン!! って思いっきり倒れたんです!
平田:可哀想すぎる!(笑)
BeeBee:そんですっげぇ恥ずかしそうにしてたときに、初めて俺と目が合ったという。覚えてます?
平田:覚えてます、人生で一番転んだときなので(笑)。
BeeBee:俺の目の前で転んだから、めっちゃ照れてましたね(笑)。
平田:すんげぇ痛かったですもん…。
BeeBee:だからボヘミアンズと対バンしたときの一番のエピソードって、俺にはそれなんですよね。もちろんライブも凄かったんですけど、そのときの印象がデカすぎて(笑)。だから今日はそれだけ言おうと思ってました(笑)。
──打ち上げとかは当時やらなかったんですか?
BeeBee:やったかな…?
平田:打ち上げはたぶんやってないですね。
BeeBee:やったとしても、たぶんどっちかが先に帰っちゃうみたいな。
平田:U.F.O. CLUBのツーマンのときもやってないですもんね?
BeeBee:ツーマン終わった後でも、集合写真だけ撮ってギクシャクして帰る…みたいな(笑)。
──ギクシャク(笑)。
BeeBee:なので凄い喋った記憶はないですね(笑)。
平田:弟さん(KiNGONSギター kjmonmon)とは3回くらい喋ったことあります。
BeeBee:3回(笑)。そこはちゃんと会話成り立ってたの?
平田:わかんないっす…(笑)。
BeeBee:わかんないの!?(笑)
平田:俺は会話したつもりではいるんですけど(笑)。
BeeBee:KiNGONSとボヘミアンズの対バンしたときのエピソードはそれくらいですね(笑)。
ボヘミアンズに会いにキメキメの格好で出向いたnao
──ありがとうございます(笑)。では、THE BOHEMIANSと首振りDollsの初対バンのときのお話を聞かせてもらえますか?
平田:首振りとは、初対面と初対バンが別なんですよね。
nao:ですね!
BeeBee:対面ってどういうこと?
nao:俺がボヘミアンズのライブを見に行ったんですよね。当時まだ小倉(九州・福岡)に住んでたときに挨拶に行って。で、打ち上げまで飛び込みで行かせてもらって。凄い話しかけたのを覚えてます。
平田:ツアーで小倉に行ってたんですけど、そのときにDroogのカタヤマくんが「俺の親友です」って紹介してきたのがnaoくんだったんです。
──そうなんですね!
平田:そのときのnaoくんの格好が「今からライブします!」みたいなキメキメな格好で来たんですよね(笑)。
nao:だって、ボヘミアンズに会うんだもん!(笑)
──気合いを入れて行ったと(笑)。
nao:ボヘミアンズは自分の中ではファッションアイコンというか憧れもあったし、恥ずかしくない格好でと思って正装で行ったんですよね(笑)。
平田:だから今日もそうかもしれないと思って、今日ほど着ていく服を迷った日はなかったです。
一同:(笑)
平田:なんかキメキメで行くのも変だしなぁ…って。
BeeBee:俺も今日みんなステージの衣装とかで来たらどうしようって思いましたね(笑)。
平田:みんなキメキメのバンドだから、一人だけ手抜きも嫌だしなぁ…と。
nao:でもLINEでやり取りすることはせず(笑)。
平田:実はLINEしようとした!(笑)
──(笑)ボヘミアンズと首振りDollsがそのあと対バンしたのは?
nao:2017年の小倉ですね。
平田:2回目のDroogとやったときに、今度は首振りもって呼んだんだよね。
nao:キメキメの格好で行って良かったです(笑)。
──ありがとうございます(笑)。では、KiNGONSと首振りDollsの初対バンのエピソードを聞かせてもらえますか?
BeeBee:実は首振りとの初対バンの記憶も怪しくて…。
nao:なんかいっぱいライブやりすぎてるもんね。
BeeBee:もう一緒にツアーだったりいろんなものやってるんで。
nao:本当の初めてかわかんないけど、ネットで調べて一番古い情報は2013年の川崎クラブチッタだった。
BeeBee:僕が覚えてるのは、小倉に行ったときに小倉FUSEっていうライブハウスの人に「こういうバンドがいる」って紹介されたときですね。それでライブを見て圧倒されました。ドラム&ボーカルでこんなにパワフルにやるバンドいるんだ! って。それまでは俺らの周りにはドラム&ボーカルで強いバンドはいなかったので。しかも楽器隊もめちゃくちゃ前に来てアピールするし、ボーカルは煽るし…自分がやりたいのとは全然違うけど、バンドとして面白いから絶対に九州では一緒にやりたいと思うようになって、こっちから誘って…。
nao:まったく同じことを思ってました、初めてKiNGONSを見たとき。
BeeBee:えぇ!?
nao:こんな奴らおる!? スゴッ!! みたいな(笑)。
BeeBee:お互いそう思ってたみたいですね(笑)でも、僕は一切打ち上げとかに出ないんで、もう何十回と一緒にやってるはずなんだけど一緒に飲んだことは一回もない。
nao:ない!
BeeBee:(笑)打ち上げの時間になると僕はいないみたいな…。
──誰とも話したくないってことですか?
BeeBee:いや、逆です(笑)。お酒入るとめちゃくちゃ喋っちゃうんですよ。十何年前とかは打ち上げに出てたんですけど、そうすると次の日のライブで声が出なくなっちゃって。だから楽しいと残りたくなっちゃうから、すぐホテルに戻るようにしたんですよね。
nao:モンモン(KiNGONSギター kjmonmon)と半ちゃん(KiNGONSドラム HANDA)とは、いつも飲んでるよ!
BeeBee:他のメンバーとはめちゃくちゃ飲んでるみたいですけどね(笑)。だから今日は新鮮です!
nao:たしかに腰据えて長く喋るのは初めてかもしれない。
──じゃあ今度のイベントのときは打ち上げに出てくれますか?
BeeBee:そうですね! これは出るしかないですね!
nao:ほんとに出るの?(笑)
BeeBee:この感じで出ないわけないでしょ!
新宿LOFTの紙吹雪装置、一発6万円!?
──楽しみにしてます(笑)。では次に、新宿LOFTでライブしたときの思い出を聞かせてもらいたいのですが、何かありますか?
nao:いっぱいありますよ! 特に思い出に残ってるのはワンマンをやらせてもらったときですね。首振りDollsが東京でワンマンやるのに一番大きい規模だったんです、LOFTが。気合い入れてやって、お客さんもたくさん来てくれて大成功な感じで終われたんですけど、ライブ終えて楽屋に戻ったらなぜか清春さんが居て。「楽屋に清春さんおるんだけど何で!?」ってビックリしたのを凄い覚えてます(笑)。
──清春さんは首振りDollsのライブを見に来てたってことですよね?
nao:そうですね!
──そんなことがあったんですね! BeeBeeさんは何か思い出ありますか?
BeeBee:僕はですね、調べたら初めてLOFTに出たのが2012年なんですけど、そのライブが僕が大学時代にLOFTに見に来るくらい大好きなバンドとの対バンで。そのLOFTで見てたバンドとLOFTで対バンだったので、一番印象に残ってますね。
──平田さんは思い出ありますか?
平田:数々の思い出があって、何を話そうかなって感じなんですが…。たぶん初めてやったのが2013年12月のクリスマスワンマンで。その当時のスタッフがやる気満々の人だったんですけど、ライブの最初に太鼓を打って紙吹雪を飛ばそうってなって(笑)。その紙吹雪を飛ばすでっかい鉄の塊みたいな装置が一発6万円って言われて…。
BeeBee:一発6万!?
平田:パン! ってくらいの威力だったんですけど「これが6万かあ…」って(笑)。
BeeBee:それは凄い景色だったんですか?
平田:いや、それがそうでもなくて(笑)。LOFTだから天井にも当たっちゃったし。
──うちは天井低いですからね(笑)。LOFTでの思い出を聞かせてくれてありがとうございます! では、このイベントについて少しお話しを伺いたいのですが、イベントタイトルの『LIVE to LIVE』は「ライブからライブへ、ライブを繋ぐ」という意味があります。皆さんの中でワンマンライブと対バンライブって何か違いはありますか?
nao:根本的なところではお客さんを楽しませるっていう大前提があるとは思うんですけど、ワンマンと対バンでは時間の制約もあってやれることも変わってくるし、見せ方もちょっと変わってくるとは思いますね。対バンのときは、自分たちのことを知らない人がいるかもしれないのでワンマンより外向きのパフォーマンスになるんじゃないかな。それが良く作用することもあって、そういうときにけっこうミラクルって起こるから対バンは楽しいなって思いますね!
──他の対バン相手に「負けないぞ!」みたいな気持ちになったりはしますか?
nao:それはもちろんありますよ! 自分たちが一番って思ってやってます!
BeeBee:まさにもうnaoくんが全部言ってくれた感じなんですけど(笑)。対バンは負けないぞ! って気持ちを持ってないとだし、逆にワンマンライブはいつも見に来てくれるお客さんにたくさんライブを見せられるのが良さだと思いますね。もちろん根本的には一緒で、僕はそんなに違いを感じてないですが…平田さんは何かありますか?
平田:BeeBeeさんにすべて言われました…。
BeeBee:言ってないでしょ!(笑) naoちゃんが言ってくれただけで(笑)。
平田:naoくんが全部言っちゃうんで答える順番変えましょう(笑)。
ライブをやり続ける上で大切にしていることとは?
──(笑)では、『LIVE to LIVE』というタイトルには「ライブに生きる」という意味も込めているのですが、皆さんがライブで大切にしていることを聞かせてもらえますか?
BeeBee:じゃあ、次は平田さんから(笑)。
平田:(KiNGONSの資料を見ながら)年間ライブ100本、月10本…!? これは自分の企画と誘われてですか?
BeeBee:そうですね、自分らで組んでるのと誘われてるのをやると100本には軽くなっちゃいますね。でも出会った頃は年間160本とか、2日に1回はライブしてたかな。
nao:160本まではいってないけど、その頃うちもそんな感じでした。
BeeBee:一番多かったときは月13、14本が平気であったからバグるというか…。
──生活の一部みたいな?
nao:たぶんベッドの上にいるよりも高速道路にいる時間のほうが長かったと思います。
BeeBee:そうだね。だから今の月10本くらいのほうがライブ1本1本を大切にできてますね。
平田:いいなぁ、年間100本も。
BeeBee:いやでも、バンドごとにやり方の違いがありますから! こんだけやってたらおかしくなっちゃう人もいるだろうし。たまたまKiNGONSには月10本がちょうどいい感じかなっていう。
──平田さんはライブする上で大切にしてることって何かありますか?
平田:次も誘われるように、頑張って礼儀正しくしています(笑)。
──なるほど(笑)。BeeBeeさんはどうですか?
BeeBee:僕らは連続してライブすることが多いんで、日々リフレッシュすることを心掛けてますね。どんなことがあろうとホテルに泊まる。昨日とおんなじ洋服を着ない。ちゃんと毎日リセットして、次の日に新しい自分でステージに立つことを大切にしています。なので、飲んで朝になっちゃったとしても必ずホテルに泊まってとメンバーには言ってますね。
──なるほど。
BeeBee:寝なくてもいいからシャワー浴びてリセットしてと。友達の家に泊まるのも基本NGにしています。遊んで朝になって昨日の匂いで来られると嫌だし。ちゃんと匂いを変えてきてと。KiNGONSはこのやり方で10年以上やってきたので、これが大切にしてることかなと。それがステージに表れればいいかなって思ってます。
──ありがとうございます! naoさんはどうですか?
nao:そうですね…。日本人が多い場所で日本語でライブやってる以上、何かしらがお客さんに伝わるというか、凄く響いたりする経験ってあると思うんですけど。今まではそのお客さんに響かせることを気にしてたんですが、それをやめました。めちゃくちゃいいライブしても響かない人には響かないし、響く人には勝手に響くから。そこらへんを気にしないようにというか、常に自分がやりたいことを自分が表現したいことをぶれずにやることのほうを大事にしてますね。
──全員に歌を届けようというよりも、伝わる人にだけ伝わればいいと?
nao:もちろんお客さん全員に向けて、一人ひとりに向けてやるんだけど、それが届いてるか届いてないかということに関して執着するのを止めたということですね。響くかどうかって、マジで受け手の体調やメンタル次第だから。
──なるほど。ありがとうございます!
平田:ちなみに俺が本当に言いたかったことはそれです。
一同:(笑)
nao:ほんとっすか?(笑)【後編へ続く】