「元気届ける作品に」 金沢舞台の映画「スパイスより愛を込めて。」 赤羽ホールで完成披露試写会

試写会に訪れた来場客に手を振る(左から)加藤さん、田中さん、中川さん、瀬木監督=北國新聞赤羽ホール

  ●田中美里さん、珠洲に想いはせ

 金沢を舞台に、カレーを巡って繰り広げられる青春群像劇を描いた映画「スパイスより愛を込めて。」の完成披露試写会は10日、北國新聞赤羽ホールで開かれ、来場者約400人が心温まるストーリーに見入った。出演者の田中美里さん(金沢市出身)は、5日に珠洲市で最大震度6強を観測した地震に触れ「本当に心配だった。この映画が、地元の人々に元気を届ける作品になってくれたら」と被災地に思いをはせた。

 映画の製作委員会には北國新聞社やテレビ金沢などが参加した。6月2日に全国公開される。

 試写会前の舞台あいさつには、主演の中川翼さん、中川さんの母親役で出演した田中さん、俳優の加藤雅也さん、瀬木直貴監督が登場した。

 「きょうは特別なので」と、金沢の金箔(きんぱく)をあしらったピアスを付けて登場した田中さんは「映画を見ると、浅野川沿いや竪町通りを歩いたなと思い出し、タイムスリップした感覚で楽しかった」と作品の魅力を伝えた。

 中川さんは映画の撮影を通じ、金沢カレーが大好きになったと語り、「キャベツとカレーの組み合わせはすごくおいしい。家のカレーにも千切りのキャベツを入れるようになった」と笑みを浮かべた。

 「さくら、さくら~サムライ化学者高峰譲吉の生涯」(同製作委員会、北國新聞社製作、2010年公開)で主演を務めて以来、金沢を舞台にした映画に出るのは2度目という加藤さんは「金沢は空気感が出身地の奈良に似ていてほっとする。機会があれば、またゆっくりと訪れたい」と語った。

 瀬木監督は「珠洲の地震で被災された方には心からお見舞い申し上げたい。来場いただいた方々には、映画を見て気持ちを温めてほしい」と呼び掛けた。

 田中さんら4人は10日、北國新聞社を訪れ、飛田秀一会長と懇談した。

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