痛いお話から。都内の駅を足早に歩いていると、突然、激痛が走った。前の歩行者との距離を見誤り、その人が引いていたキャリーケースに足指をぶつけてしまった。場所によってケースはちょっと厄介もの
▼県内ではこんな事態も。ゆいレールで旅行者のケースが車両の乗降口をふさいでいる。おかげで車内はすいているのに、通勤客が乗れないという。5日付本紙にある
▼重いケースを担ぐのはけっこうしんどい。乗降口付近にとどまる観光客の気持ちも分からないではない。とはいえ他の乗客への注意は欠かせない。これは基本的なルールの類い
▼こんな裁判例がある。駅でケースにぶつかり歩行者がけがをした訴訟で、ケースの持ち主に賠償を命じた。他者の歩行を妨げたり、転倒させたりしないよう注意義務があるというのだ。ただ、事態を予測し避けられたとして、負傷者の過失も一部認めた
▼ケースは便利だけど公共の場ではお互い譲り合いの精神を。駅側も注意喚起のアナウンスをしてほしい。痛む足指をさすりつつ、心の中で叫んだ。
