中西りえ 3年ぶり演歌 「花凜々と」 女の生きざまキリッと

春らしい透け感のある洋服で活動する歌手の中西りえ=大阪市中央区

 変幻自在の歌唱力で定評のある演歌・歌謡曲歌手、中西りえが3年ぶりの弦哲也作曲作品の演歌「花凜々(りんりん)と」を出した。今春でプロ12年目に入りオリジナルCDはこれで13作目。そろそろ中堅に入るキャリアだが、この曲は女の生きざまを示すキリッとした内容。一方でカップリング「散って悔いなし花吹雪」はテンポのいいリズミカルな仕上がり。この多彩さこそ彼女の真骨頂だ。

 生まれ育った三重県伊勢市では幼い頃から知られた存在。地域をPRする「町おこし歌手」へ2006年秋に就任、全国各地を回って街の魅力をアピールした。高校卒業後、故郷を出て東京で短大に通いながら「NSC(吉本総合芸能学院)東京校」音楽部門で腕を磨き作曲家・櫻田誠一に師事、12年4月に「北海男節」でプロデビュー。「お笑いで頑張っているNSCの同期生は10年が賞レースなどの区切りになることが多い。私も節目の10年過ぎましたから自分の代名詞になるようなヒット曲を出したい。テレビのバラエティー番組で彼らと共演できればうれしい」と夢を描く。

 演歌好きの祖父と父の影響で幼少のころから歌を口ずさんでいた。歌謡教室で声を磨き、1999年にはNHK・BS「ジュニアのど自慢」でグランプリ獲得。「勉強も運動も目立つ方ではなかったけど、歌だけはずっと自信があった。“よし! 歌手になろう‼”と早くから決めていました」と言う。

 今回は担当ディレクターも代わり王道演歌に回帰。その分、カップリングでは10周年記念曲として好評だった前作「アイツなんて」の雰囲気を生かす構成に。ファンがカラオケで歌いやすい仕上がりを意識した。

 もともとアニメやコミックが大好き。アニメソングのラジオ番組にも出演しその魅力を熱っぽく語った。「ぜひアニソン歌いたいです。このジャンルは歌謡界の大先輩方もよく歌っておられますから。演歌・歌謡曲以外にもどんどん幅を広げて行きたいです」と熱っぽく。14日にはそれを意識した特別コンサートを地元・伊勢市で予定。「やっぱり故郷に帰れるのはいいですね。実家で寝泊まりするとホッとできます」と屈託ない笑顔を見せた。

新曲「花凜々と」では大人っぽい雰囲気の着物姿の中西りえ

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