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マルシェイベントといえば、人が多く集まる町中の公園や、広い体育館などで開かれることが多いように思います。
しかし「森の中のマルシェ」の会場は、ほんとうに森の中。
2回目の開催となった2023年4月29日(土)は雨が降ったりやんだりのお天気でしたが、多くの人で賑わいました。
のびのびと木が茂り爽やかな風が通り抜ける場所で開かれた、優しいマルシェをレポートします。
森の中のマルシェとは
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森の中のマルシェは、養蜂家のあわむら ともひろさんが主催するイベントです。
あわむらさんは自分のことを「野良蜂不動産」と説明します。
不動産屋のお客さまは人ではなく、自然の中に暮らしているニホンミツバチ。
つまり、「ニホンミツバチに家(巣箱)を貸して、家賃として蜂蜜を受け取っているんですよ」と、あわむらさんは笑います。
日本固有種のミツバチであるニホンミツバチは、セイヨウミツバチよりも飼いにくいといわれており、実際に市販されている蜂蜜のほとんどはセイヨウミツバチのものです。
あわむらさんはこの貴重なニホンミツバチの蜂蜜のほか、蜜蝋(みつろう)を使ったろうそくやハンドクリームなどを販売しています。
ミツバチたちが働く場所でお客さんに蜂蜜を手に取ってもらいたいと、おいしいものや自然に優しいものを扱っている人たちに声をかけ、福山市本郷町の森で開いているのが「森の中のマルシェ」。
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ゴミを出さないマルシェにするため、マイ皿・マイ箸・マイカップ・マイ容器などの持参が原則です。
お店でお皿などを借りたときは、使った人が会場に用意してある洗い場できれいに洗って返すシステムになっています。
体に優しい食べ物や飲み物に舌鼓
マルシェの一番の楽しみは、おいしいものに出会うこと!
9つのブースが並びました。
ニホンミツバチの蜂蜜 野良蜂不動産
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マルシェ主催者のあわむら ともひろさんのブースに並ぶのは、ニホンミツバチの蜂蜜と蜜蝋のろうそくです。
瓶ごとに色の違いがあるのは、季節や巣箱によって蜂蜜の性質が少しずつ違うため。
いろいろな花の蜜を集めてくるニホンミツバチならではの、蜂蜜なのですね。
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固まった蜂蜜は、湯煎にかけてゆっくりと溶かして使うとよいそうです。
滋味深いニホンミツバチの蜂蜜を、ぜひ一度食べてみてください。
麹のお菓子屋さん 茜色
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ノンオイル・ノンシュガー・グルテンフリー・動物性材料不使用のお菓子を提供しているのは茜色さん。
甘さの秘密は、本みりんや麹(こうじ)です。
甘酒や豆乳麹、ココア麹など、麹が作る糖分を生かしたお菓子が並びました。
「お試しセット」は、米粉のシフォンケーキ・麹オートミールクッキー(アーモンド/レーズン&ココアの2種類)・麹豆乳プリンのラインナップ。
持参したマイ皿に盛ってもらいました。
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このシフォンケーキのもちもち感は、今まで経験したことのない感触です!
毎日食べたくなるような、優しいお菓子でした。
天然食材のお店
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県北で採ってきたばかりという山菜やきのこを販売していたのは、天然食材ハンターの越智さん。
タラの芽や葉ワサビのほか、ミヤマイラクサやコゴミ、イタドリなど、珍しい天然食材が並んでいました。
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帰って天ぷらにして食べた「山菜の女王」コシアブラの味に、すっかり魅了されました!
量り売りと自然食品のお店 あすの葉
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尾道市向島町に店を構えるあすの葉さんは、無農薬や無添加の食品を量り売りしているお店です。
おこづかいを握りしめて買い物をするお子さんたちが、次々とブースを訪れていました。
どれも美味しそうで悩みましたが、なかなか食べる機会がない葉ワサビとノビルをチョイス。
天然食材ハンターの越智さんが採った葉ワサビを、あすの葉の後藤さんが料理した、コラボメニューです!
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コロンと丸い根元がかわいらしいノビルの酢味噌和えは、くせがなく楽しい食感です。
葉ワサビのしょうゆ漬けの程よい辛味で、さらに食欲をそそられました。
ドリンクと新茶 Welina Style
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火を通さないスイーツや、自然に近いお菓子などを得意とするWelina Style(ウェリナスタイル)さん。
今回はお菓子ではなく、心がホッとする飲み物を提供してくれました。
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なかでも注目は、この日この森で摘んだばかりの茶の葉を揉んで作った新茶です。
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できたてで淹れたての新茶は、なんともいえないやわらかな色と香り。
贅沢(ぜいたく)な時間を味わいました。
新茶のあまりのおいしさに感動したお客さんは、主催者のあわむらさんの許しを得て、森に生える茶の葉を摘みます。
持ち帰ってお茶づくりに挑戦するそうです。
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フルーツを漬け込んだシロップやフレッシュフルーツをたっぷり入れたフルーツティーも、森によく似合う穏やかな味でした。
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天然酵母のパン 粉と粉と
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粉と粉と(ことこと)さんは、イベント限定のパン屋さんです。
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このおしゃれな引き出しの中にも、カンパーニュやフォカッチャなどが潜んでいます。
あっという間に売り切れてしまうので、急いで塩バターパンサンドを買いました。
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挟まれていたのは、地元産の青パパイヤとレタス、スナップエンドウ、お米ポークのハム。
どうしてこんなにおいしいのかと、粉と粉とさんのパンを食べるたび、魔法にかけられているような気分になってしまいます。
スパイスカレー ととのい
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スパイスカレーととのいさんのブースには、常に誰かが並んでいました。
鹿肉を使ったキーマカレーは、サフランライスと2種類の前菜つきです。
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なんと美しいカレー!
残念ながら食べそこねましたが、お客さんたちが幸せそうに食べている姿を見ているだけで幸せな気分を感じました。
おこめのおかし WARAJI
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お米でできたお菓子を販売していたのはWARAJIさん。
かき餅を作るときにできる端材を再利用した米粉のクッキーは、子どもたちが楽しんで食べてくれるよう、形にもこだわりました。
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常務はなんと高校生!これから町を盛り上げるための活動も計画中だそうです。
自家焙煎珈琲 焙煎香房Segar-Beans
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焙煎したての新鮮な珈琲を淹れてくれたのはSegar-Beans(セガールビーンズ)さん。
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ていねいに焙煎した珈琲の、馥郁(ふくいく)とした香りがなんともいえません。
素敵な笑顔にも癒やされますね。
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物販&ワークショップ&ライブも満喫
食べ物以外にも、優しいものがそろっていました。
肌にも環境にも優しい洗剤「うたうへ」 アメリカヤ
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敏感肌に悩むお子さんのために、洗濯のプロであるクリーニング店のアメリカヤさんが一から作った洗剤が「うたうへ」です。
合成洗剤ではありますが、強い成分は一切なし。
洗濯だけでなく、体を洗うのにも使えるほどの優しさだそうです。
肌への優しさは、環境への優しさにもつながります。
洗剤らしくない、ふんわりとしたオレンジとハーブの香りにも和みました。
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レモン染め体験 みやちくん
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草木染めやSAORI織りを手掛けるみやちくん。
この地域らしい染めものを作りたいと考案したレモン染めには、レモンの実ではなく葉を使っているそうですが、きれいな黄色に染まるのですね。
この日の体験は、洗濯バサミや割り箸を使った型染め、ペットボトルの周りに布をギュッと絞ってから染める嵐絞りなどです。
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染め終わって布を広げると現れる模様に、歓声が上がっていました!
イノシシの脂を使ったコスメづくり
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自分で獲ったイノシシの脂を精製したコスメづくりのワークショップを提供していたのは、生口島ごちそうの森代表の長光祥子(ながみつ しょうこ)さん。
エマルジョンクリーム・リップクリーム・BBクリームの3種類から、リップクリームづくりを選びました。
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まずはイノシシ脂を湯煎にかけて溶かし、そこに蜜蝋もプラス。
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好きな色の粉を適量混ぜれば、リップクリームのできあがりです。
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イノシシ脂というと、なんとなく匂いがきつそうなイメージでしたが、まったくそんなことはなくほぼ無臭。
人の肌に成分が近いイノシシの脂は、昔から使われてきている貴重なものだとか。
使うのが楽しみです!
ライブ トゥモローズと腹かかえ笑える組
楽しい音楽で盛り上げてくれたのはトゥモローズとそのお友達のみなさん。
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おいしい食べ物や飲み物と、軽快な音楽、そして森。
最高の組み合わせでした。
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森の中で大人も子どもも自由に楽しもう
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自然の中で開かれるマルシェには、決まった楽しみ方はありません。
散歩しながらもよし、駆け回ってもよし。
お茶やミントを摘んで楽しんだり、ワークショップを体験したり、それぞれの楽しみ方で贅沢(ぜいたく)な時間を過ごせます。
場所を説明するのは少し難しいので、Googleマップで「森の中のマルシェ」と検索してくださいね。
次回の開催予定は2023年夏頃だそうです。
さまざまな表情を見せてくれる森の中、自由で優しいマルシェを楽しんでみませんか。