男性死亡…背中を蹴られて意識不明、搬送先で息を引き取る 特養の職員逮捕、食堂で順番待ち中に何があった

特養入所者の背中を蹴る 暴行容疑で職員を逮捕

 埼玉県飯能市の特別養護老人ホーム「吾野園」で、入所する男性(90)の背中を蹴飛ばしたとして、飯能署は10日、暴行の疑いで、秩父市野坂町2丁目、同園職員の男(48)を逮捕した。男性は搬送先の病院で死亡した。同署は男性の遺体を司法解剖するなどして、死亡との関連を調べている。

 逮捕容疑は、9日午後1時50分ごろ、飯能市南川の施設内で男性入居者の背中を蹴飛ばした疑い。調べに「間違いありません」と容疑を認めているという。

 署によると、男は園内の2階食堂で入所者が介護の順番待ちをしている際、車椅子に座っていた男性の背中を蹴ったとみられる。当時は複数の入所者が順番を待っていて、その場にいた職員は男1人だった。男と交代した別の職員が男性の異変に気付き、他の職員も駆け付けたが、男性の意識がなくなったという。

 同日午後5時20分ごろ、別の男性職員から「職員が入所者の男性を蹴った。その後、入所者の意識がなくなって、病院に搬送された」と署に通報があった。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。署は詳しい経緯を捜査している。

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