プール改修費抑え教員負担も軽減へ 水泳授業の民間委託スタート 加古川、バスで移動の児童ら「楽しい」

水泳授業でインストラクターの指導を受ける子どもたち=加古川市加古川町寺家町、コナミスポーツクラブ加古川店

 兵庫県加古川市で、小中学校の水泳授業の民間委託が、試行的に始まった。初日となった10日は、氷丘南小学校(同市加古川町溝之口)の5、6年生が、同市加古川町寺家町のコナミスポーツクラブ加古川店にバスで移動。泳ぐ力によって班に分かれ、屋内プールでインストラクターの指導を受けた。2023年度は計5校で取り組み、同市教育委員会は結果を検証して、さらに拡大するかを検討する。(斉藤正志)

 市教委によると、市民プールを利用している浜の宮小を除き、小中学校39校にプールがある。うち26校が耐用年数とされる築40年を超えるなど、老朽化が進んでいる。

 民間委託は、多額の改修費を抑え、プールの水質管理など教員の負担を軽減するとともに、児童が専門性の高い指導を受けられるようにするのが狙い。

 氷丘南小では、バスでの移動時間を含め、5、6年生がそれぞれ午前の2時限分を水泳授業に充てた。

 5年生は4クラスがバス3台に分乗し、午前8時50分ごろに同店に到着。同店は本来、休館日で一般利用者はおらず、児童133人が同9時過ぎから、11班に分かれてプールに入った。

 インストラクター13人が班ごとに指導し、スタッフ3人が安全を見守る監視役に。各クラスの担任教諭は、プールサイドから子どもの評価に当たった。

 泳ぎが苦手な児童の班では、インストラクターが実演しながら、「太ももから大きく動かして」とバタ足について説明。子どもはビート板を使って練習した。泳ぎが得意な児童の班では、平泳ぎやバタフライも教えてもらっていた。

 5年4組の男児(10)は「丁寧に教えてくれて、いろんな泳ぎができて楽しかった」と話した。

 授業は同10時に終わり、バスは、着替えた5年生を乗せて同小へ。6年生を乗車させて同店に戻り、130人が授業を受けた。

 23年度はほかに、陵南中がコナミスポーツクラブ東加古川店(同市野口町野口)で、今月23日から授業を始める。平荘小、上荘小と両荘中は6月から、同中のプールで、派遣されたインストラクターによる授業を行う。

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