「母の日」前に出荷ピーク 串本でトルコギキョウ

トルコギキョウを収穫する阿波功さん(9日、和歌山県串本町潮岬で)

 和歌山県串本町でトルコギキョウが出荷のピークを迎えている。同町潮岬の花卉(かき)団地にある阿波功さん(81)=串本町西向=の鉄骨ハウスでは、白やピンク色などの八重咲きの花が開花。14日の母の日を前に、阿波さんが1本ずつ丁寧に収穫している。

 この花は串本と親交のある「トルコ」の名がついているが、北アメリカ原産。つぼみがトルコ人のターバンの形をしていて、咲き方がキキョウに似ているためトルコギキョウと呼ばれているという説がある。

 JA紀南によると、管内では串本町のほか、上富田町や白浜町の農家14戸が計2ヘクタールで栽培している。主に関西や関東の市場へ出荷している。

 阿波さんは妻の美佐子さん(76)と2人で約20年前から栽培を始め、9.9アールの畑で約2万6千本を育てている。11~12月に一度収穫するが、「切り戻し」という作業をすることで春にもう一度収穫できるようになるという。

 9日は朝早くから花とつぼみの数のバランスを見ながら収穫し、長さをそろえるなどして出荷準備に追われていた。

 阿波さんは「トルコギキョウは日持ちの良さが特徴。花が病気になったり、虫が付かないように十分気を付けて栽培している。買ってくれた人が華やかな気持ちになってくれたらうれしい」と話している。

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