災害ボランティア始動 高齢者「ありがたい」

災害ごみを運び出すボランティア(右)=11日午前9時35分、珠洲市蛸島町

  ●震度6強、12日で1週間

 地震が相次ぐ珠洲市内で11日、災害ボランティアが活動を始め、高齢者宅で崩れた外壁や割れたガラスなど災害ごみの運搬や片付けを手伝った。人手が足りず途方に暮れていたお年寄りらは「きれいに片付けてもらって本当にありがたい」と安堵(あんど)の表情を見せた。5日の震度6強の地震発生から12日で1週間。復旧に向けた歩みが着々と進んでいる。

 災害ボランティアセンターを運営する市社会福祉協議会によると、11日時点で76団体35人がボランティア登録した。40件を超えるボランティアの要望があり、活動初日は13人が正院町と三崎町、蛸島町の4軒を手分けして回った。

 蛸島町で1人で暮らす泊照子さん(77)方には、石川県災害ボランティア協会の2人が訪れた。1階の床の間の障子が外れたり、タンスや食器棚が倒れたりして、室内は足の踏み場のない状態となった。

 ボランティアは、車庫にまとめられた外壁の一部や割れた瓦などの災害ごみを次々と軽トラックの荷台に積み込み、蛸島町の市営野球場駐車場に設けられた仮置き場に運んだ。

 ボランティアの堀孝宏さん(79)=金沢市=は「困っている人を助けるのが大切で、少しでも早く復旧してほしい」と話した。泊さんは「地震があった5日に娘夫婦が金沢から来て手伝ってくれたが、自分1人では処分することができず、これで気持ちが楽になった」と語った。

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