海上に巨大マンション 金沢港に過去最大クルーズ船

金沢港に初寄港したMSCベリッシマ=11日午前9時15分、大浜埠頭(ドローンから)

  ●MSCベリッシマ寄港

 MSCクルーズ(スイス)の豪華客船「MSCベリッシマ」(17万1598トン)が11日、金沢港大浜埠頭(ふとう)に初めて入港した。同港に寄港したクルーズ船では過去最大で、乗客も最多の約4千人。19階まであり、「洋上の巨大マンション」から乗客が次々と下船し、バス約70台やタクシーに乗って金沢市内や隣県の観光を楽しんだ。

  ● 19階17万㌧、4000人が観光

 MSCベリッシマは全長315.8メートル、幅43メートル、海面からの高さは65メートル。客室は2217室あり、プールやカジノ、ショーが行われるシアター、複数のレストランやバーなどを備える。

 横浜発着の日本一周10日間の旅の途中で、秋田から金沢に立ち寄った。大浜埠頭には11日午前7時ごろに着岸した。通信販売大手「ジャパネットたかた」(長崎県佐世保市)のグループ会社「ジャパネットサービスイノベーション」(福岡市)がチャーターしてツアーを実施した。

 乗客は主に日本人で、下船すると、ミス加賀友禅や加賀友禅大使の出迎えを受けた。一緒に記念撮影を楽しんだ後、兼六園や近江町市場、ひがし茶屋街をはじめ、山中温泉や和倉温泉、あわら市のあわら温泉、高岡市の国宝瑞龍寺、岐阜県の白川郷などに向かった。

 MSCベリッシマに夫と初めて乗った、さいたま市の主婦杉﨑和子さん(72)は「船内は快適で施設が豪華。金沢ではおすしを食べたい」と笑顔を見せた。6月には珠洲市へ車で旅行に行く予定で「大きな地震があって不安はあるけど、能登のためにも訪れたい」と話した。

 MSCベリッシマは次の寄港地の韓国・釜山に向け、11日午後4時に金沢港を出港する。県によると、今月20日、8月22、29日にも金沢に入港することが決まっている。金沢港のクルーズ船寄港は今年、40本を予定している。

 金沢港に寄港したクルーズ船は、2018年に初入港したMSCスプレンディダの13万7936トンが最大だった。乗客数は同船が19年に寄港した際の約3500人が最多となっていた。

バスに乗り込む大勢の乗客=11日午前8時50分、金沢港大浜埠頭

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