新興国首脳も原爆資料館へ インド核実験後初、韓国も

広島市の原爆資料館=4月

 政府は19日に開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の関連行事として、韓国や核兵器を保有する新興の大国インドなど拡大会合の招待国首脳による原爆資料館(広島市中区)の視察を設定する方向で最終調整に入った。複数の関係者が11日、明らかにした。広島市によると、インドは1957年当時のネール首相が資料館を訪れたが、同国が74年に初の核実験を実施して以降は初めてという。議長の岸田文雄首相がモディ首相らを案内し、21日を軸に実施する。

 G7首脳も19日に資料館視察を予定。首相は核兵器不使用の歴史を継続させる決意を招待国首脳とも共有し、逆風下にある国際的な核軍縮機運を再び醸成したい考えだ。

 広島市によると、非保有国だが韓国大統領の視察も、詳しい記録が残っている63年以降では初めて。過去には、92年にゴルバチョフ元ソ連大統領、2016年にオバマ米大統領が訪れた。

 外務省は11日、サミットの主な日程を公表した。9回ある討議のうち招待国を交えた拡大会合は3回。最終日の21日午後には首相が議長として記者会見に臨む。

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