SBG、純損失9701億円 23年3月期、投資先株安で

記者会見するソフトバンクグループの後藤芳光CFO=11日午後、東京都港区

 ソフトバンクグループ(SBG)が11日発表した23年3月期連結決算は、純損益が9701億円の赤字(前期は1兆7080億円の赤字)だった。赤字は2年連続。AI関連技術などを持つ投資先の新興企業の株価下落が響いた。売上高は傘下の携帯電話大手ソフトバンクの増収などが寄与し、5.6%増の6兆5704億円だった。

 SBG本体や傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じた投資損益は8351億円の赤字だった。ファンドの赤字は5兆3222億円に達したが、出資する中国大手ITアリババグループの株式放出に伴って4兆円を超える利益を計上して赤字幅を縮小した。

 世界的な株式市況の低迷を受けて23年3月期は新規や追加の投資を抑制したが、出資先の中国のAI開発大手、商湯集団(センスタイム)や米国の料理宅配大手ドアダッシュなどの株価が下がった。円安の影響で7722億円の損失も計上した。

 後藤芳光最高財務責任者は決算記者会見で「今後は財務の安全性を維持しつつ、情報革命をけん引する投資は実行したい」と述べた。

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