被害が続く特殊詐欺 宮城県警が犯行マニュアルを公開し注意を呼び掛け

被害が収まる兆しが見えない特殊詐欺ですが、手口は巧妙化しています。警察は、容疑者のスマートフォンに残されていた犯行マニュアルを公開し、注意を呼び掛けています。

「すり替えできたらせき払い1回」「封筒はすぐにパンツに入れて移動」

仙台市青葉区の90代男性からキャッシュカードを盗んだとして、4月に窃盗の疑いで逮捕された男のスマートフォンに残されていた犯行マニュアルです。

手口は、いわゆるキャッシュカードすり替えです。キャッシュカードを封筒などに入れさせ、隙を見て空の封筒と差し替える手口です。 男は、闇バイトで知り合った指示役を通じて受け子や出し子をしていたとみられています。

マニュアルには、作業の流れが事細かに記されていました。

「名乗り終えたら『では、早速保管作業開始しますのでキャッシュカードをご用意ください』」

「封をしたら割印が必要なので、ネーム印以外のご印鑑と朱肉ありますか。印鑑は何でも結構ですと。印鑑取りに行っている隙に事前用意した封筒とすり替え」

宮城県警によりますと、2022年1年間に起きた特殊詐欺の被害件数は323件で、前の年に比べて43件増えました。被害額は5億円余りと過去5年で最多です。

県警生活安全課及川佳朋犯罪抑止指導官「犯人は詳細なマニュアルを作成し用意周到に犯行に及んでいます。『キャッシュカードを預かります』というキーワードが出れば、特殊詐欺です」

近年、手口が巧妙化する特殊詐欺ですが、キャッシュカードすり替え以外にも注意が必要なのがサポート詐欺です。

パソコンのサポート窓口を装い、現金や電子マネーをだまし取る手口で被害が増加しています。

県警生活安全課及川佳朋犯罪抑止指導官「特殊詐欺の全体の約4割を、架空料金請求詐欺が占めているような状況。いったん冷静になって周りの方に相談することが一番重要になります」

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