王毅氏、台湾問題でけん制 ウィーンで米中高官会談

サリバン米大統領補佐官、中国の王毅共産党政治局員

 【ワシントン、北京共同】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)がオーストリアの首都ウィーンで10~11日にかけ、中国の外交担当トップ、王毅共産党政治局員と会談した。米ホワイトハウスが発表し、新華社電も報じた。新華社電によると、王氏は台湾問題を巡る「中国の厳正な立場」を伝え、米側をけん制した。

 19日に開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で台湾問題が取り上げられ、安全保障を巡る米中の摩擦が激化するのは必至の情勢で、中国側は、対米関係を制御するため事前にハイレベルで意思疎通を図る必要があると判断したもようだ。

 会談は対立する米中が責任を持って競争を管理する取り組みの一環。ホワイトハウスによると、両氏は意思疎通の戦略的チャンネルを維持することで一致した。台湾海峡を巡る問題やロシアによるウクライナ侵攻、地域の安全保障などについて議論した。

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