中国版ハチ公映画が好評 けなげさ感動呼ぶ

映画館に掲げられた「忠犬八公」のポスター=4月、中国上海市(共同)

 帰らぬ主人を待ち続けた「忠犬ハチ公」の中国版映画が同国で好評だ。映画専門アプリで「感動した」とのコメントが並び、高評価を獲得。物語を中国式に変えても、ハチ公のけなげさは人々の心を動かす力があるようだ。

 中国版は題名が「忠犬八公」で、3月31日に公開された。日本で1987年に公開された映画「ハチ公物語」の故新藤兼人監督による脚本が原作。舞台は東京ではなく中国内陸部の重慶市だが、ハチ公が飼い主を待ち続けるストーリーは変わらない。

 ハチ公役は秋田犬ではなく、柴犬に似た中国原産の中華田園犬が演じた。主演は中国を代表する映画監督、馮小剛氏。マージャンや重慶名物の辛い料理といった中国らしい要素も見どころだ。

 中国の映画専門アプリ「猫眼プロ版」によると、観客動員数は5月11日時点で763万人、興行収入は2億8600万元(約55億円)に達した。評価は10点満点中9.3点と、快進撃を続ける新海誠監督のアニメ映画「すずめの戸締まり」の9.1点を上回る。

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