P&Gが女性経営者育成で独自プログラム 「門外不出」のノウハウ、受講生だけに公開

P&Gジャパンの役員から修了証を受け取った受講者=神戸市中央区北野町1

 日用品大手のP&Gジャパン(神戸市中央区)が、女性の経営者や起業家を支援、育成する独自のプログラムを提供している。マーケティングや人材育成に定評のある同社が「門外不出」とするノウハウの一部を、受講生だけに公開。女性が経営する企業との取引を増やし、調達先を多様化するサプライヤー・ダイバーシティの達成を目指している。

 プログラムは「P&Gアカデミー」。女性が経営する企業に、大企業との取引を支援する国際団体「WEコネクト・インターナショナル」と共同で、2020年から無料で開講する。

 3回目の今年は25人が参加。2~4月に計9回のオンライン講座があり、マーケティングの基礎や管理職のマネジメント手法、リーダーシップのほか、大企業と取引する手法などを学んだ。4月末には全受講者が神戸に集まり成果を発表、P&Gジャパンの役員が1人ずつ修了証を手渡した。

 サプライヤー・ダイバーシティは、女性や障害者らマイノリティーからの調達を重視する考え方で、P&Gの米国本社が1976年から取り組む。日本でも2016年に始め、徐々に広がっている。

 兵庫県内からは、産業廃棄物処理業エビオ(尼崎市)の仁保めぐみ社長▽教育事業を手がけるアストラシア(神戸市中央区)の黄凱華社長▽葬祭関連事業atFOREST(アットフォレスト、同)の小池友紀社長-が参加。3人は「トップレベルの経営手法に触れ、日本が変わる可能性を感じた」などと語った。

 P&Gジャパンの担当者は「女性がビジネスのスキルを高め、経営者同士のネットワーク作りにもつなげてもらえれば」とした。(高見雄樹)

© 株式会社神戸新聞社