【やまぐち深発見紀行】 No.255「宮野・実在の県営住宅舞台の絵本」

▲「おかあさんになったノラ」挿絵(上)と実際の風景

 山口市宮野下の県営住宅周辺を舞台にした絵本がある。作者は約40年前、同所に私設図文庫を開いた現役の図書館職員だ。

 絵本は「おかあさんになったノラ」(2007年、芸文社)と、「ずっとずっとそばにいるよ」(2009年、同)の2冊で、作者は山口市宮野在住、山陽小野田市立図書館長の山本安彦さん。

 子どもが本に触れる機会が増えるようにと1980年、同県営住宅集会所に私設文庫「みやの子ども文庫」(現在休館中)を開設した人でもある。絵本はそこで出会った野良猫を主人公にした親子の物語だ。画家・本田哲也さんによる挿絵には、今も残る宮野の風景を見ることができる。

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