兵庫県内有数の茶どころとして知られる丹波篠山市の味間地区で、新茶の摘み取りが始まった。つややかな新芽が陽光を浴びて青々と輝き、初夏の訪れを告げている。
丹波篠山での茶の栽培は歴史が長く、平安時代には朝廷に献上されたといわれる。同市味間奥で生産、販売を手がける「諏訪園」は9日から本格的に摘み取り作業を始めた。新芽は味や香りの変化が早く、収穫は時間との勝負だといい、2週間ほどで約3ヘクタールの茶畑を刈り終えるという。
諏訪園の酒井一行社長(52)は「味間の地は日射を和らげる霧や涼しい気候に恵まれている。うまみや香りが詰まったお茶を楽しんでほしい」と話している。収穫した茶葉は蒸しや乾燥などの工程を経て、順次店頭に並ぶという。
諏訪園本店TEL079.594.0855 (秋山亮太)