新天地で好調のベリンジャー 復活の要因をMLB公式サイトが分析

ドジャース時代の2019年にナショナル・リーグのMVPに輝きながら2021-22年は不振にあえぎ、昨オフドジャースからノンテンダーFAとなったコディ・ベリンジャーが、新天地のカブスで現在打率.288、7本塁打、OPS.890と本来の姿を取り戻しつつある。このベリンジャーの復活劇は果たして本物なのかをメジャーリーグ公式サイトのマイク・ペトリエロ記者が分析。記事によると、ベリンジャーは「復活」というよりも別の好打者になったと考えるほうが妥当なようだ。

47本塁打を放ちナ・リーグのMVPを勝ち取った2019年当時のベリンジャーは、ハードヒット率上位14%と強い打球を連発しながら三振率も上位22%に入る優秀さと、パワーとコンタクト能力の双方で優れた打者だった。しかし、今季のベリンジャーはハードヒット率下位27%とそれほど強い打球を放っているわけではない。実際、成績低下が始まった2020年から今季までのベリンジャーの打球速度ランキングでトップ35に入る打球は、今季ここまでわずか1本しか放っていないのだ。それを裏付けるように、Statcastが打球の質のみで長打率を予測するxSLGの数値はわずか.422と実際とは.100以上も乖離。もちろん予測の数字でも過去2年は大きく上回っているものの、この予測と実際の差は100打席以上プレーした選手の中で最も大きなものである。

では、ベリンジャーの何が良化したのか。ペトリエロ記者は「足の復調」と「アプローチの変化」ではないかとしている。ベリンジャーは2021年に足の骨折を負って以来走塁速度の低下がみられていたが、今季はMLBの上位15%にまでスピードを取り戻した。昨年オフには初めて個人でフィジカルトレーナーを雇った結果、コンディションが良好になったと本人がキャンプ時のインタビューで語ったように、体の状態は過去2年よりもいいものと思われる。

しかし、それ以上に変化がみられるのが三振率の低下だ。不振の2年間で27%を記録していた三振率は、今季ここまで18%と2019-20年の17%に近い水準をたたき出している。特にスプリットやチェンジアップなど落ちるボールへの対応が顕著で、これらのボールに対する空振り率は昨年の31.3%から過去ベストの10.5%まで良化。それに伴いこれらへの打率も.158から.364に大きく数字を伸ばしている。

以上のことからペトリエロ記者は、ベリンジャーの「復活」は「MVPを受賞した2019年の姿」を指すのであればそれは違うが、「平均以上の攻守を持つ質の高いセンター」としての姿は取り戻していると指摘。ベリンジャーの完全復活への道はまだ半ばといえそうだが、さらに数値を伸ばして再びMVPを争うような姿を見せることができるのか、今後の活躍に注目だ。

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