F1マイアミGP、将来的なナイトレース化を検討。同レースのマネージングパートナーが「何度か協議した」と認める

 F1マイアミGPは、地元のプロモーターが協議している計画によると、今後ナイトレースになる可能性があるという。

 今年のマイアミGPのレースは晴天で暑く、高湿度のコンディションのなか午後の遅い時間に開催されたが、それはマイアミ・インターナショナル・オートドロームのグリッド上のドライバーとチームが直面した課題のひとつにすぎなかった。それだけでなく、アメリカ東海岸でのレースはヨーロッパでは夜遅い時間になる。イギリスでは午後8時半、ヨーロッパ大陸の他の場所では午後9時半までレースは始まらなかった。

 状況は、今年後半のラスベガスGPではいっそう深刻になる。ラスベガスGPは土曜日夜に開催されるので、マイアミと比較するとヨーロッパでの開始時間がさらに2時間遅くなることになる。しかしマイアミの主催者たちは、時間帯が夜中であることでヨーロッパのテレビ視聴者数が減少する可能性があっても、アメリカ全体ではゴールデンタイムへの関心が高いこと、また、より涼しく過ごしやすい夜のコンディションであることで相殺されるだろうと考えている。

 週末に、マイアミGPのマネージングパートナーを務めるトム・ガーフィンケルは、開催時刻の変更が検討されているのか尋ねられ、「それについては何度か協議した」と『Racingnews365.com』を含む一部メディアに語った。

「この時期の天気が予測しづらいのは明らかだ。今年は非常に天気がよく、そよ風に助けられた。だが昨年は季節外れの暑さだった」

「しかしこの件については、F1やテレビ局、その他諸々の、多くの要因が関係している。こうしたことすべてを比較検討しなければならないが、我々が前向きなのは確かだ」

「我々は、今は決定を下せる状況にない。我々が話し合っているのは、『もしそうしたらどうなるか?』ということだ」

2023年F1第5戦マイアミGP決勝 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 週末の注目すべき問題のひとつには、コースが非常に滑りやすいことがあった。昨年のレースでグリップの問題について不満が寄せられたため、主催者は、コースの再舗装を行ったのだ。

 また彼らは新しい路面の高圧洗浄を行わないことを決めた。高圧洗浄によって、新しいターマック層に存在する、ビチューメンとオイルの滑りやすい層を取り除くことができるが、洗浄を行わないことで長期的により優れた耐久性が期待されるためだ。

「ウォーターブラスティングを行わないことで、コースはさらに長持ちする」とガーフィンケルは説明した。

「日差しと湿気からなるこの気候と、その他さまざまな要因によってコースは影響を受ける。時間が経つにつれて状態はよくなるはずだ」

 レース優勝者のマックス・フェルスタッペンは、「週末の間にかなり改善されたと思う」と語った。日曜日に力強い勝利を収めた彼に、不満を言う理由はなかった。

「これはストリートサーキットだ。素晴らしいオフラインは期待できない。そういうものだ。昨年と比べてはるかに楽しくドライブできた。ターマックはかなりよくなっていると思う」

 ガーフィンケルは、昨年以降にコースに加えられた変更は、ドライバーたちに好評だったと明かした。

「昨年は少々バンピーだった部分があったが、はるかになめらかになったとドライバーたちからフィードバックがあった」

「我々はドライバー全員、チーム代表全員、FIA、F1と話をしたが、ターン15/16について何をすべきかについて、誰もが異なる意見を持っていた」

「しかしF1とFIAと出した結論として、エイペックスを少しなだらかにし、縁石を少々下げることにした。(ドライバーたちからは)はるかに気に入ったというフィードバックを得た」

「今年はもう少しなだらかにした。もともとは安全性のためにきついコーナーにしてあり、そこにたどり着くまでにマシンを減速させるために懸命な取り組みを行った」

 しかしながら、サーキットの汚れを払い、ラバーをレーシングラインに残してくれるサポートレースが1戦しかなかったことが、依然として要因となっていた。

「コースのオフラインにラバーがもっと残されていれば、決勝レースでより素晴らしいレースができると思う」とガーフィンケルは認め、今後はさらなるサポートレースの開催を検討していると述べた。

「我々はそのことを検討している。ファンにはさらなるレースとエンターテインメントが提供されるから、実現できれば意味のあるものになるだろう」

2023年F1第5戦マイアミGP 角田裕毅(アルファタウリ)

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