シザ、米ビルボード・チャートで故アレサ・フランクリンが54年間保持していた記録を破る

シザの大ヒット・シングル「Kill Bill」が、米ビルボード・R&B/ヒップホップ・ソング・チャート“Hot R&B/Hip-Hop Songs”で女性アーティストによる楽曲として歴代最長No.1記録を更新した2週間後、同じ記録を米ビルボード・R&B/ヒップホップ・アルバム・チャート“Top R&B/Hip-Hop Albums”でも達成した。

今週「Kill Bill」が収録された『SOS』は、女性ソロ・アーティストによる作品としてTop R&B/Hip-Hop Albumsの58年の歴史で最長首位となった。5月13日付の同チャートで、『SOS』は18週目の1位を記録し、故アレサ・フランクリンが『アレサ・ナウ』で打ち立てた17週を上回った。

「Think」や「I Say a Little Prayer」のカバーなどの名曲を含む故アレサのアルバムは、1968年に17週にわたり首位を獲得していた。注目すべきなのは、彼女が女性アーティストとしての最長No.1記録を3度も打ち立てたことだ。1967年に発売された『貴方だけを愛して』で女性アーティストとして初めて14週1位をマークし、翌年の『レディ・ソウル』でこの記録に2週を追加すると、続く『アレサ・ナウ』で17週に歴代最長記録を伸ばし、今週『SOS』に抜かれるまで54年間保持した。

ルミネートによると、『SOS』は5月4日までの集計週に56,000ユニットを獲得し、前週から5%減となったものの、2位に初登場したジャック・ハーロウによる『ジャックマン.』に2万ユニットの差をつけて、首位をキープした。

以下、1965年1月のチャート公開以来、Top R&B/Hip-Hop Albumsで1位を獲得した週が最も多い女性ソロ・アーティストのアルバムとなる。

1位獲得総週、アルバム・タイトル、アーティスト、最高位到達週
18週『SOS』シザ、2022年12月24日
17週『アレサ・ナウ』アレサ・フランクリン、1968年7月27日
16週『レディ・ソウル』アレサ・フランクリン、1968年3月2日
14週『貴方だけを愛して』アレサ・フランクリン、1967年4月29日
10週『ビヨンセ』ビヨンセ、2013年12月28日
10週『レモネード』ビヨンセ、2016年5月14日

女性によるグループやサウンドトラックを含めると、女性トリオのダイアナ・ロスとシュープリームスによるグレイテスト・ヒッツが、1967年10月14日から12週にわたり1位を獲得した。また、女性リード・シンガーのシャーデー・アデュ率いるシャーデーは、1986年2月1日発売の『プロミス』で11週1位を記録している。故ホイットニー・ヒューストン、故アレサ・フランクリン、メアリー・J.ブライジ、ブランディなど女性のシンガーのみが参加した映画『ため息つかせて』のサウンドトラックは、1995年12月16日から10週にわたって1位を独占した。

『SOS』によるTop R&B/Hip-Hop Albumsでの18週No.1記録は、全体ではザ・テンプテーションズの『テンプテーションズ・シング・スモーキー』と故マイケル・ジャクソンの『バッド』と並んでおり、歴代9位タイとなっている。なお、歴代最長は、故マイケルの『スリラー』が立ち立てた37週だ。

『SOS』は、シザにチャートの面で大きな成功をもたらした。大ヒット曲「Kill Bill」は、Hot R&B/Hip-Hop Songsで19週目の首位に君臨し、女性による楽曲としては最長記録を更新した。次週も首位をキープすることができれば、ビリー・レイ・サイラスをフィーチャーしたリル・ナズ・Xの「Old Town Road」による歴代最長1位記録に並ぶこととなる。リリースから5か月が経った『SOS』だが、今作からはさらなるヒット曲が生まれている。現在、ラジオ向けのシングルとしてプロモーションされている「Snooze」は、Hot R&B/Hip-Hop SongsでTOP10入りを果たしており、『SOS』が輩出した10曲目のTOP10シングルとなっている。

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