「まちなかウォーカブル」社会実験「てくてくやまぐち」 5月11日から21日まで、山口市内3カ所で

 山口市は、市役所や県立美術館・博物館などの文化・教育施設が集まる亀山周辺エリアと、商業施設の集積する中心商店街エリアとの回遊性を向上させる「まちなかウォーカブル」推進への取り組みを始めた。その社会実験「てくてくやまぐち-まちなかウォーカブルプロジェクト」が、5月11日(木)から21日(日)まで、同市内3カ所で実施されている。

 1カ所目は「山口駅通り」。趣旨に賛同する沿道の8事業者が、店の外の歩道空間に客席や休憩スペースを設置。屋外でのサービス提供等を行う。また、安心して歩ける環境づくりのため、自転車通行者に向けた歩行者への配慮を促す看板も置かれている。

▲駅通りの実験スペース

 2カ所目は「どうもん広場」。同広場と隣接民地との一体的な活用を図り、滞在時間の長期化と中心商店街における消費増加を目指す。ベンチやテーブル、子ども向け遊具等を設置し、休憩スペースを拡張。さらに、日替わりでキッチンカーも出店する。

▲どうもん広場の実験スペース

 3カ所目は「一の坂川交通交流広場」で、ここのみ5月20日(土)と21日の2日間が実験期間となる。「交流広場」と「情報発信広場」間を走る市道も含めて、広場を一体的に活用。一の坂川のせせらぎを間近に感じられるテラス空間、広場を流れる風を感じられるベンチ、子ども向け遊具等を臨時に設置。さらに、キッチンカーや屋台、ポップアップ(期間限定)レストラン等の出店もされ、「広場の魅力向上と回遊のハブ機能向上」を考察する。

 キッチンカー出店等の最新情報は、フェイスブックの「てくてくやまぐち」ページに随時掲載される。

 同市では、今回の実験結果も踏まえ、「居心地が良く、歩きたくなるまちなか」形成を進めていく考えだ。具体的には、早間田交差点の平面横断化、歩道の凹凸の解消、通行する人々が休憩できるような空間の確保、店舗と店舗前道路空間の一体的利用など、道路整備や規制緩和について検討していく。

 「まちなかウォーカブル推進事業」は、国土交通省が2020年に創設。全国で349都市(2022年3月31日時点)が、同事業に取り組む「ウォーカブル推進都市」となっている。山口県内では山口市以外に、下関市、宇部市、防府市、長門市、周南市が名乗りを上げている。

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