ミュージカル「SPY×FAMILY」がいよいよ最終地点・博多座に。「アーニャの明るさと元気を皆さまにお届け」

5月3日、福岡・博多座で「ミュージカル『SPY×FAMILY』」が初日を迎えた。本作は東京・帝国劇場、兵庫・芸術文化センターでの公演を経て、博多座が“最終地点”となる。

「ミュージカル『SPY×FAMILY』」の原作は、遠藤達哉氏が2019年3月から「少年ジャンプ+」(集英社)で連載しているスパイアクション&ホームコメディー漫画「SPY×FAMILY」。スパイと超能力者と殺し屋が、互いの素性を秘密にしながら仮初めの家族になるという設定だ。そのユニークさに加え、シリアスとコメディーが絶妙にブレンドされた世界観などが受け、読者の圧倒的な支持を獲得。コミックのシリーズ累計発行部数は、2023年4月時点で3000万部を突破している。22年4月にはテレビアニメ化され、欧米圏やアジア圏での放送及び配信もスタート。国内外を問わず一大旋風を巻き起こしている話題作の満を持した舞台化で、注目度の高い作品となっている。

すご腕スパイのコードネーム・黄昏(たそがれ)ことロイド・フォージャー役を森崎ウィンと鈴木拡樹がダブルキャスト。ロイドの“妻”で殺し屋のヨル・フォージャー役を唯月ふうかと日向坂46・佐々木美玲が、こちらもダブルキャストで演じる。そして、「心」が読める超能力者の“娘”・アーニャ・フォージャー役は、池村碧彩、井澤美遙、福地美晴、増田梨沙によるクワトロキャストとなった。アーニャ役は4カ月におよぶ育成型ロングオーディションを経て決定。見た目もさることながら、役が乗り移ったかのような愛くるしさと元気いっぱいの彼女たちは、配役発表時から話題となった。

博多座公演初日、上演前には囲み取材が行われ、ロイド役の森崎と鈴木、ヨル役の唯月と佐々木、さらにアーニャ役の池村、井澤、福地、増田の“フォージャー家”8人が登壇した。

初日を迎えた感想を問われると、森崎は「初日を迎えるっていう緊張感は常にあるんですけれども、東京と兵庫が皆さまのおかげで大好評いただいていますので、そこで培ったものを、また博多座でしっかりと受け渡していけたらなと思っております」と意気込み、一方、鈴木は「(残りの公演を)目いっぱい楽しみたいと思います。アーニャが本当にいつも元気で。皆さまにもこの明るさと元気が届けばと思っています」と顔をほころばせた。

出演者同士の関係性について、唯月は「もともと仲は良かったんですけど、回を重ねるごとにもっともっと仲良く濃くなっていっているなって。作品は“仮初めの家族”ですが、お芝居の中で本当の家族みたいなコミュニケーションや空気感っていうのを個人的に感じていて…幸せでございます」と笑顔で答えた。

また、初の舞台出演でメインキャストを務める佐々木。「(日向坂46の時は)いつもはみんなで歌っているのに、(舞台では)1人で自信を持って歌わないといけないので、稽古では声が震えてしょうがなかったです。いろんな方に支えていただきながら、今こうしてやっていけているので感謝の気持ちでいっぱいです」と一座への感謝を述べた。唯月と佐々木の言葉通り、8人の雰囲気は“本物の家族”と思わせるほどで、チームワークの高さがうかがえた。

漫画原作らしいテンポのいい展開に、アクションあり音楽ありダンスあり…とアーニャよろしく「わくわくっ!」な見どころ満載の本公演。その一つを問われた池村は「私は“はは”(ヨルのこと)の戦いのシーンです! かっこよくてわくわくしています」と目をキラキラさせると、福地は「フォージャー家がおばあさんを助けるところです。“ちち”(ロイドのこと)と“はは”と本当の家族になった気分になれるからです」と続いた。井澤と増田は、共に朝夏まなと演じるシルヴィア・シャーウッド(黄昏の上官)が出てくるシーンとし、その理由を井澤は「カッコいいからです」と照れながらコメント。増田は「オープニングの踊りがすごくカッコいいなぁって。いつも楽屋とか裏で踊っています」と言うと、実際に踊ってみせ、一同を驚かせた。

最後に、森崎は「ようやくここ(博多座)へ来ることができ、僕らもホッとしてますし、すごくうれしいです。皆さまにお会いできることを楽しみにしていますので、ぜひ劇場に会いにきていただけたらと思います」とコメント。続いて鈴木も「コミックから飛び出してきたキャラクター、そして何より生のアーニャが皆さまをお待ちしております。ぜひ楽しんでください」とそれぞれあいさつした。

大千秋楽となる5月21日まで一座は駆け抜ける。

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