宗教2世からの相談窓口周知 「エホバ」巡り政府答弁 加藤厚労相「保護者の信仰で子どもに虐待あってはならない」

 宗教団体「エホバの証人」が教団として児童虐待を容認しない旨を信者に文書で周知したことが12日の衆院厚生労働委員会で取り上げられた。加藤勝信厚労相は「保護者の信仰などを背景に虐待があってはならない」として、4月以降に所管となったこども家庭庁と連携して「引き続き防止に取り組む」と答弁した。

 これに関連して法務省の竹内努司法法制部長は、3月10日の同委員会で調査や指導を求めた立憲民主党の早稲田夕季氏(4区)への答弁として、法テラスの霊感商法等対応ダイヤルで「未成年の宗教2世からの相談も受け付けていることを速やかに周知していく」と説明した。

 答弁などによると、教団は今月10日にこども家庭庁の担当者と面会。その場での説明を踏まえて「児童虐待を容認していない」「輸血を含め、どんな治療を受けるかについては一人一人が自分で決めるべき」とした文書を翌11日から全国約2千カ所の信者交流拠点で読み上げて周知し、掲示も1カ月程度続けるという。

 早稲田氏は「厚労省もこども家庭庁も前向きに対応してくれた」とした上で「むち打ち禁止など具体的な内容には踏み込んでいない。治療の選択権も親にあり、現実的には子どもでは決められない」と指摘。再度の面会などによる文書の詳細確認と、未成年の宗教2世への相談窓口の周知を要請した。こども家庭庁の野村知司審議官は「(厚労省が昨年末に示した)『宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A』を踏まえ対応していく」と答えた。

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