電力不正閲覧、社長ら報酬減額 国に再発防止策提出

業務改善計画を提出し、記者会見で謝罪する関西電力の森望社長(左から2人目)ら=12日午後、大阪市

 大手電力グループが新電力の顧客情報を不正に閲覧した問題で、東北、中部、関西、中国の4電力は12日、社内処分を公表した。社長ら役員の報酬を減額したり一部自主返納したりする。国から業務改善命令を受けた関電や九州電力など5社は12日、再発防止や法令順守体制の強化を柱とする業務改善計画を経済産業相に提出した。

 入手した情報を営業活動に悪用した関電は、これまで送配電子会社と一体だった情報システムを約5年かけて分離すると表明。森望社長の月額報酬の50%を3カ月減額するなど役員11人を報酬減額処分とした。森氏は大阪市の本店で記者会見し「公正な競争に大きな影響を及ぼす不適切事案を発生させ、改めて深くおわびする」と陳謝した。

 大手電力では不正閲覧以外にも電力販売でのカルテルといった不祥事が相次ぎ、経産省が罰則強化などを検討。改善計画の着実な履行による信頼回復が急務だ。

 改善計画を提出したのは関電、九電のほか、それぞれの子会社である関西電力送配電、九州電力送配電に加え、中国電力子会社の中国電力ネットワーク。

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