防衛財源法案巡り立民・維新共闘の終焉「見える化」 選挙でも「熾烈な戦い」へ

 防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案の採決を巡り、塚田一郎衆院財務金融委員長(自民党)に出されていた解任決議案が12日、否決された。賛成は立憲民主党、共産党、れいわ新選組会派の議員にとどまり、日本維新の会など他の野党は反対した。維新との共闘再開へ期待をにじませていた立民の安住淳国会対策委員長も維新批判を始め、二大野党である立民と維新の共闘の終焉(しゅうえん)が「見える化」(自民の閣僚経験者)した格好だ。

 「姑息(こそく)でだまし討ち。火事場泥棒のような手法は許されない」。衆院本会議で解任決議案の提案理由説明に立った立民の階猛氏は塚田氏に対してでなく、特措法への批判に大半の時間を費やした。賛成討論を行った同党の末松義規氏も与党が提案した裁決後の大震災被災地住民への意見聴取提案を「公聴会もどきの子どもだまし」と酷評した。

 与党席からは「解任の大義を言ってみろ」「無謀な解任案で仲間割れ」などの怒号が飛び、反対討論を行った自民の青山周平氏は「日程に拘泥する戦術は時代遅れ」と批判した。維新や国民民主党は大半の議員が騒ぎにくみせず、無言で粛々と反対票を投じた。

 前日11日の会見で維新の馬場伸幸代表が「事前合意の天下り規制強化など4法案以上のことはやらない」と明言し、その他案件での立民との共闘を否定。記者から「若手同士の研究会を再開したい」との安住氏の意向を伝えられると「何か勘違いしておられるのでは。もはや全て白紙だ」と一蹴した。選挙についても「立民とも熾烈(しれつ)な戦いになる」と対決姿勢を鮮明にしている。

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