草原駆け、跳びはねる 山形の西蔵王放牧場が今シーズン開始

放牧され、走り周る乳牛。半年の間、高原で過ごして足腰を鍛える=山形市・西蔵王放牧場

 山形市の西蔵王放牧場で12日、今シーズンの放牧が始まった。初日は乳牛と肉用牛計21頭が広大な高原に放たれた。牛は10月まで、傾斜のある草原を行き来しながら丈夫な体を作る。

 放牧場は1971(昭和46)年にオープン。広さは約81ヘクタールで、標高600~820メートルに位置する。新鮮な牧草が広がる山を歩くことで足腰が鍛えられ、体重の増加が見込まれる。農家の飼養管理やふん尿処理の作業軽減にも役立っている。

 本年度は山形、天童両市の農家4戸から58頭が放牧される予定。この日、入牧した牛は跳びはねるように草原を駆けるなどし、青空の下で伸び伸びとしていた。乳牛12頭を預けた石山牧場の石山一幸さん(52)は「お産を控えている牛もいる。足腰が丈夫になればお産が楽になるし、牛乳もおいしくなる」と話した。

放牧された乳牛。半年の間、高原で過ごして足腰を鍛える=山形市・西蔵王放牧場
放牧された乳牛。半年の間、高原で過ごして足腰を鍛える=山形市・西蔵王放牧場
広い牧草地に広がり、草を食む牛=山形市・西蔵王放牧場

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