【緊急避妊薬のスイッチOTC化】日薬・岩月氏、試験的運用「ぜひトライしたい」

【2023.05.12配信】厚生労働省は5月12日、「第24回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開き、緊急避妊薬のスイッチOTC化について議論した。この中で「試験的運用」が提案されたことについて、日本薬剤師会常務理事の岩月進氏は「ぜひトライしたい」と述べ、賛同する意向を示した。

「試験的運用」についてはパブコメにおいて、「一部地域の薬局等での試験的な運用等を前提に18歳以上は誰でも購入できるようにするべきと考える。ついては、一般販売を前提に試験的な運用を行い運用上確認された課題を随時検討する方向が望ましい」との意見が出されていたもので、堀恵構成員(ささえあい医療人権センターCOML委員バンク登録会員)がこの意見を支持する考えを表明していたもの。

この堀氏の意見を受けて、日本薬剤師会務理事の岩月進氏は、「アクセス改善については日本薬剤師会として申し上げてきた。ただ、いろいろな課題も多くある。試験的な運用でどのような課題があって、どのように解決していくのか、ぜひトライしてみたい」と述べた。「フィードバックをして問題点を解決するためには必要なことだと考えている」とした。

日本医師会常任理事の宮川政昭氏も堀氏、岩月氏の意見に賛同する考えを示した。その上で「場所の問題、チームを組んでいくことも課題。避妊ができたかの検証、フォローもできるよう、検証していくことが重要。そのことがこの薬を国民の皆様へ育薬した上で届けることにつながるのではないか」と述べた。

日本保険薬局協会常務理事の松野英子氏は、試験的運用の実施には賛同しつつも期間が長くなりすぎることへ懸念を示した。「試験的運用についてどれぐらいの期間やったことで課題点が見つかるのか。またここで数年かかってから全国になるということになれば、望む人にいつ届くのかの問題が残る。早急にできるにはどうすればいいのかをやっていただくことがよいと思う」と指摘した。

日本OTC医薬品協会理事長の礒部総一郎氏は試験的運用をするにあたっては「期限を決めて取り組む必要があるのではないか」とするとともに、「次の段階を必ず考えることをはっきり決めた上でスタートしないと」と提起した。

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