青色以外見る機会のない信号機 瀬戸大橋上、もしもに備え35年

 開通35周年を今春迎えた瀬戸大橋には、高速道路上では珍しく信号機がある。岡山方面から車を走らせると、与島パーキングエリアへの分岐点に青く点灯した信号機が並ぶ。付近には予告信号を含めて上下線合わせて計8基あるが、開通以来、一般の人は赤色になるのをあまり見たことがないという。

 本州四国連絡高速道路によると、強風や災害などで橋を通行止めにする時、通行中の車両を与島へ避難させるために設置された。しかし、これまで通行止めにする際には瀬戸大橋を含む児島―坂出インター間全線の入り口を閉鎖した上で、警察が赤に点灯してきた。

 つまり、一般の人が瀬戸大橋上で青以外の色を見て避難する機会がなかったわけだ。ならば信号が不要ではと思われるが、本四高速は「大規模災害が発生した場合、橋の途中で赤信号を使って避難誘導することもあり得る」とする。もしもに備え、きょうも点灯され続けている。

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