光圀命名「初音」新茶摘み 茨城・城里、住民ら6キロ収穫

徳川光圀にゆかりがある「初音」茶の収穫をする参加者=城里町上古内

江戸時代、水戸藩主の徳川光圀が味の良さをたたえ、「初音(はつね)」と命名し、茨城3大銘茶、古内茶の原点ともなった茶樹の苗木を育てている茨城県城里町上古内のほ場で9日、JA水戸古内茶生産組合(大坪薫組合長)を中心に、同町の上遠野修町長や地域住民ら約30人が参加して新茶摘みが行われた。約1時間で、約6キロを収穫した。

初音は、光圀が下古内にある禅宗寺院「清音寺」に立ち寄った際、出されたお茶がおいしかったことに感激し、茶樹に名前を与えた。また光圀はこの茶樹の栽培を周辺地域にも広めるよう勧めたため、現在の古内茶の産地が生まれるきっかけになったとされる。

ほ場は国登録有形文化財「島家住宅」の敷地内にある町有地で、広さ約500平方メートル。苗木は、清音寺に現存する母木から2014年から挿し木して増やした。17年から3度に分けて定植。収穫は今回が4年目になった。

参加者は、青々とした新芽を摘み取って、手に持ったかごに入れていた。収穫した生葉は製茶し、組合員ら関係者に配布される。

大坪組合長は「古内茶のことを多くの人に知ってもらう手だてとして、初音茶に着目した。話題にしてもらって、お客を増やすことにつなげたい」と話した。

© 株式会社茨城新聞社