電気料金6月値上げ 経産省調整、北電など7社

  ●オール電化除く家庭向け

 北陸電力など大手電力7社による家庭向け電気料金(オール電化を除く)の値上げ申請について、経済産業省が6月の料金改定を認可する方向で調整に入ったことが、12日分かった。複数の関係者が明らかにした。電力販売カルテルなど一部の大手電力による不祥事の徹底検証を求めた消費者庁の有識者会合でこの日、議論が終了した。

 北電が申請している平均46.91%の値上げ幅は圧縮される見通し。対象世帯は家庭115万世帯のうち、55万世帯となる。

 経産省と消費者庁との協議が終われば、来週にも開かれる物価問題に関する関係閣僚会議で値上げ時期が事実上決まる見込みだ。

 値上げするのは北陸のほか、北海道、東北、東京、中国、四国、沖縄電力の各社。北陸と東北、中国、四国、沖縄電の5社は4月の実施を、北海道、東電の2社は6月の実施を国に申請したが、岸田文雄首相が指示した審査の厳格化を受けて時期が不透明になっていた。

 各社は当初、燃料費高騰を理由に3~4割程度の値上げを申請。経産省はこれまでの審査で経営効率化を求め、最近の燃料価格の下落傾向を反映させることで値上げ幅を圧縮させてきた。消費者庁に対しては、認可後も経営を継続的に検証していくと説明し、有識者会合で一定の理解を得た。

 関係閣僚会議では、最終的な値上げ幅を確定させるための査定方針も固まる見通しだ。大手7社は方針に基づき上げ幅を再申請し、経産相が認可する。7社は5月下旬までに新料金を公表する。

 ただ河野太郎消費者担当相は、新電力の顧客情報不正閲覧も含めた一連の不祥事で競争が阻害され、料金が高止まりした可能性を指摘している。河野氏の反応によっては消費者庁と経産省の協議が長引き、6月に値上げできない可能性もある。

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