めぶきFG 純利益25%減 3月期 有価証券売却損響く

記者会見するめぶきフィナンシャルグループ秋野哲也社長=水戸市南町

めぶきフィナンシャルグループ(FG、東京、秋野哲也社長)が12日発表した2023年3月期連結決算は、純利益が前期比25%減の321億7600万円だった。本業のもうけを示すコア業務純益は、傘下の常陽銀行(水戸市)、足利銀行(宇都宮市)合わせて同3.6%減の816億5800万円。有価証券の売却損270億円などが影響し、3期ぶりの減益となった。

取引先の持続的な成長に向けた支援メニューを充実させたほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するウェブサービスを始めるなど事業領域の拡大に取り組んだことが収益確保に貢献した。

有価証券の売却はリスク抑制などの観点から、利回りの低い債券を売り、現状の高い利回りの債券に入れ替えるためで、売却を先行して実施した。

一般企業の売上高に当たる経常収益は、同22.8%増の3294億5700万円、経常利益は同28.2%減の466億3100万円。

両行合算の今年3月末時点の貸出金残高(財務省の特別会計借入金除く)は同4.5%増の11兆8201億円。法人や公共向け貸出金が増えた。個人向けは住宅、マイカー、教育の各ローンを中心に増加が続いた。法人は大企業、中堅・中小企業とも上積み。地域別でも都内、地元ともに伸びた。預金残高は同1.8%増の17兆1631億円。

常陽銀の経常利益は前期比21.9%減の296億1100万円、純利益は同33.3%増の328億1600万円。足利銀の経常利益は同30.8%減の156億円、純利益は同30.3%減の107億4900万円。

めぶきFGの24年3月期の業績予想は経常利益575億円、純利益400億円を見込む。信用コストは100億円を算出した。

秋野社長は常陽銀行本店で開いた会見で「有価証券運用の改善により、グループ連結、銀行単体ともに増益の計画。貸出金残高増加による収益強化や、コンサルティング機能の充実に取り組み、中長期的な成長を維持していく」と述べた。

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