82歳の元プロ野球選手、佐伯市の球児を指導し40年 基本に重点、一対一で【大分県】

教え子に正しい打撃フォームを指導する八木孝さん(左)=佐伯市
八木さん(右)から約6年間、指導を受けた教え子の河内颯汰さん

 【佐伯】佐伯市向島の元プロ野球選手八木孝さん(82)が、地元の野球少年にマンツーマンで技術を伝えている。知人から頼まれ、子どもたちに野球を教えるようになったのが約40年前。以来、自宅のガレージに希望者を招き、基本を正しく身に付けることに重点を置いた指導を続けてきた。

 八木さんは佐伯鶴城高から明治大に進み、投手として活躍。1963年に広島東洋カープ(当時)に入団し、投手、外野手として69年までプレーした。引退後は市内の医療・介護施設などに勤めた。

 指導はマンツーマンで、投球と打撃のレッスンを合わせて1時間ほど。「もっと胸を張って」「今の感覚を忘れるな」ー。けがをしないよう、とりわけ基本動作の大切さを伝える。

 小学校と中学の約6年間、指導を受けた河内颯汰さん(16)=同市直川上直見=は、4月から楊志館高(大分市)に進学。野球部に入部し、甲子園を目指して練習に励んでいる。

 少年野球チームに入った小学3年のころから毎週、八木さん方に通ってきた。「いつも優しく、真剣に教えてくれる先生。今の僕をつくってくれた」と感謝する。

 八木さんは「教えられることは全て教えた。あとは本人の努力次第。迷ったり分からなくなった時は帰ってくればいい」と期待。「以前、指導した子が成長し、元気に野球をしている姿を見るとうれしくなる」と目を細めた。

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