元委員への名誉毀損 茨城・神栖市政倫審 法定要件満たす 本格調査へ

神栖市役所=同市溝口

議会活動報告書に書かれた内容などから、茨城県神栖市議4人が政治倫理条例に違反する可能性があるとして、神栖市の男性から同市へ提出された「調査請求書」を精査する市政治倫理審査会(委員長・吉田勉常磐大教授)の第1回会合が12日、同市溝口の市役所で開かれた。審査会は、男性の請求が法定要件を満たし適切と判断し、今後本格的に調査していく方針。

会合は非公開で行われ、終了後に吉田委員長が茨城新聞の取材に応じた。吉田委員長の説明などによると、男性は市の固定資産評価審査委員を務めていた2021年3月、地方税法に違反し市発注の事業を請け負っていたとして退任。しかし同年6月の市議会で、執行部は「違反ではなかった」と答弁し、認識が間違っていたと訂正した。

同報告書の発行日はその3日後だったが、訂正には触れず、地方税法違反の内容しか掲載されなかった。そのため、男性が「違反行為に関与していたとの印象を市民に与える、名誉毀損(きそん)に当たる行為」として、調査請求に踏み切ったという。

審査会は、男性の主張をより明確化させるため、後日質問書を送付。同時に市議に対しても、訂正に触れなかった理由などについて、文書で回答を求める方針。

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